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南ベトナム 12月29日
[12月29日]
 今日は、まずDambriへ。そして昼前にGung Reへ移動しようというプラン。相変わらず天気は良い。
 いつも朝のDambriではそれなりの成果があがっていて、今日もその例に漏れなかった。目新しいところでは、ファブロニア Neocheritra fabronia のオスが翅を開いたり、エリキノイデスの交尾が見られたりした。父は、翅の大きく欠損した個体ではあるものの、コケムシイナズマのメスを撮影していた。


コケムシイナズマ♀ Euthalia anosia ― 2009年12月29日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM 父撮影

 そして、Gung Reに向かう。地図上ではDambri―Gung Re間はそう無駄なく移動できそうに見えるのだけれど、ちょうど良い道路が整備されていないのか、あるいは、運転手さんが道を知らないだけなのか、結局、Bao Locの街中を経由して、というか、泊まっているホテルのすぐ傍まで一旦戻って、それからGung Reへ向かうはめになった。想定より時間がかかり、移動時間は1時間半ほど。
 Gung Reを飛んでいる蝶は、たしかに前評判通り、Dambriでは見かけないものばかり。中でも、目立っていたのがワモンチョウの仲間。僕が見たのは Faunis eumeusThaumantis diores の2種。T. diores は翅表のとても綺麗な種類で、さながらアジア版モルフォといった感じ。


ルリモンワモンチョウ Thaumantis diores ― 2009年12月29日 Gung Re, Di Linh, Lam Dong, VIETNAM

 シロオビヒカゲの仲間も、ここでは2種がよく見られ、その2種は綺麗に住み分けしていた。暗い林内を飛んでいるのが Lethe verma で、明るい林縁を飛んでいるのは L. confusaL. verma はDambriにも沢山いたけれど、L. confusa はいなかった。
 今日の夕食は別グループでベトナムに入っていた斉藤さん、青木さん、山口さん、鎌田さんと一緒になった。場所はバオロックホテル。東南アジアの蝶に詳しい方ばかりで、とても有意義な情報交換ができた。そういえば、海野さんから「君はWeb用の画像処理は良いけど、印刷物向けの処理も覚えなくてはダメだ」と言われ、アンシャープマスクのかけ方を中心に、印刷物向けの画像処理を教わった。業界の標準という数値が、僕は試したこともないくらい大きな数値だった。
南ベトナム 12月28日
[12月28日]
 今日は二手に分かれて、僕たち親子と青木さんはDambri、海野さんと海原さんはGung Reへ行くことに。Dambriはお馴染みの茶畑ポイントだから説明を省くとして、Gung Reというのは、山あいの原生林ポイント。山の常で天候には不安がつきまとうものの、ここでしか見られない種もあるらしい。
 青木・工藤組は、Dambriまでタクシーで移動。帰りに車を呼ぼうにも言葉が通じない(英語もほとんど通じない)ので、タクシーは1日貸り切って、待機していてもらうことにした。たしか700,000VDNだったと思う。相場を知らないから、これが高いのか安いのか分からないけれど、日本円換算で約3,500円。ところで、運転手さんに、今日1日貸し切りたいんだけど、と頼むと、随分驚いて、価格設定に困っているようだった。こんな客は、よほど珍しいらしい。今回の拠点Bao Locは、比較的大きな町ではあるのだけれど、旅行ガイドブックには載っていないし、外国人観光客と会うこともまずない。もちろん、それほど豊かなわけでもない。そう考えれば、なるほどという感じ。
 今日も天気は良過ぎるくらいに良く、キララシジミのディスプレイ時間は短かった。まあ、そうじゃなかった日なんて、1日として無かったのだけれど。
 しばらくして、偶然、独特な形の垂蛹を見つけた。タテハチョウ科ということまでは間違いないと思うけれど、この形はなんだっけ。もしかして、イナズマチョウの類かなあ。父と青木さんを呼び聞いてみるものの、結論は出ず。東南アジアの蝶は食餌植物を知らないどころか、僕の場合、照葉樹はどれも皆同じに見えてしまうレベルの人間だから、こういう発見はいつも全くの偶然。
 数日前から目を付けていた樹液に、オナガアカシジミ Loxura atymnas が来ていた。マレーシアで見たのは L. cassiopeia だったから、この属2種目。しかし、この個体以外、ハエ数頭を除いて、他に何もいなかった。小型甲虫とか、もう少し集まっても良いと思うんだけどな。


オナガアカシジミ Loxura atymnas ― 2009年12月28日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 Abisara neophron も撮影。日本には分布しないシジミタテハ科の蝶。今までも何頭となく見かけていたけれど、欠け、スレの目立つ個体が多く、ようやく綺麗な個体に当たった。


Abisara neophron ♂ ― 2009年12月28日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 そういえば、今日は警察を呼ばれた。若い警察官が2人、それも、偶然で鉢会うことなど有り得ない、辺鄙な林道で話しかけてきたものだから、最初は何事かと思った。インドネシアで警察にたかられた、とか、そういうのはよく聞く話だし。けれど、話を聞いてみると、どうやらそういう物騒な事情ではないらしい。
 何ということは無い。タクシードライバーが、僕たちの荷物を盗まれたと勘違いして、通報してしまったのだ。実際は、僕が荷物の場所を移動させていただけだったのだけれど。それにしても、誠実な警察官とタクシードライバーだった。ベトナムの人柄は、とても印象が良い。田舎だから、尚更そうなのだと思う。
 さて、Gung Reへ行った海野さんたちは、随分と良い結果をあげてきたようだ。この地域ではろくに記録の無いカバシタアゲハ Chilasa agestor まで撮影していた。カバシタアゲハといえば、2年前、海野さんに「その時期(年末)ならジャサールでカバシタアゲハが見られるよ」と勧められ、ジャサール山に登って、やっとのこと撮影した覚えがある。そんなこと言うものだから、てっきり、海野さんはカバシタアゲハを見たことがあるものとばかり思っていたけれど、実はこれが初めてだったらしい。
南ベトナム 12月27日
[12月27日]
 またまたDambriへ。今日も天気が良い。ちょっと良過ぎる。おかげでキララシジミのディスプレイ時間は短く、30分前後で終わってしまった。そういえば、前回のマレーシアでも、連日痛いくらい晴れられた記憶が。
 今日でベトナムに渡って4日目。体力的にも気持ち的にも余裕が出てきた。ツノゼミのコロニーには前から気付いていたけれど、カメラを向けたのは今日が初めて。このツノゼミは、幼虫と成虫が入り混じり、やたら群れていた。こうなってしまうと、ツノゼミもアブラムシも、結局は同じ半翅目なんだなという感じ。




ツノゼミの一種 ― 2009年12月27日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 昨日 Athyma nefte が占有していた林道で、コケムシイナズマ Euthalia anosia のメスに遭遇する。これでエンカウント3回目。僕以外まだ4人とも、コケムシイナズマを全く見ていないらしく、やはり、この種とは何かの縁があるとしか思えない。
 しかし、コケムシイナズマのメスを見つけた丁度そのタイミングで、1台のバイクがやってきた。1時間に1人通るかどうかの、とても人通りの少ない林道なのに。ついていない。結局、記録程度の写真しか撮れなかった。


コケムシイナズマ♀ Euthalia anosia ― 2009年12月27日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 帰り際、Lethe verma を撮影。林道沿いを、何頭も、盛んに飛んでいた。


Lethe verma ♂ ― 2009年12月27日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 夕食は、宿泊しているバオロックホテルでとることに。例によって、エビのビール蒸しやイカの唐揚げなど、定番のメニューを中心に注文。料理も結構良かったけれど、何より、飲み物がきちんと冷えているのが嬉しかった。東南アジアに有りがちな、常温の飲み物に氷を入れて飲むスタイルは、あまり
南ベトナム 12月26日
[12月26日]
 今日もDambriへ。午前中は昨日と同様、キララシジミ2種を眺める。ヒューイットソニィを中心に撮影。


ヒューイットソンキララシジミ♂ Poritia hewitsoni ― 2009年12月26日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 Euthalia monina のオスを、コケムシイナズマ E. anosia と間違い、恥ずかしい思いをする。欲目って怖い。
 が、その直後、なんと本物のコケムシイナズマが現れ、一瞬足元にとまり、すぐ飛び去っていった。昨日の Tajuria といい、良いチョウに限って、なかなか思うようにいかない。それとも、巷で噂の物欲センサーが働いているのか。
 林道沿いでは、Athyma nefte のオスがテリトリーを張っていた。この種は雌雄異型で、なおかつ、オスもメスもなかなか格好良い。


Athyma nefte ♂ ― 2009年12月26日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 引き続き、こまごまとした樹上性シジミやシジミタテハを撮影しつつ、林道を歩く。すると、突然父に呼ばれる。父の指す先にはホワイトヘッディ E. whiteheadi の立派なメスが。うわあ、これは失敗できない。恐る恐る撮影する。文句なく今日一番の、もしかしたら今回の旅行で一番の、大物。
 その後、チャイロフタオの白帯型♂も現れる。一昨日のTac Maiでは遠巻きに見上げただけだったから、これも嬉しかった。白帯の無いタイプはマレーシアで沢山見たけれど、やっぱり、それより格段に格好良い。


チャイロフタオ白帯型♂ Charaxes bernardus ― 2009年12月26日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 また1人で歩いていると、イナズマチョウらしき影が頭上を横切った。とまった先を見ると、そこには、コケムシイナズマのオス。勘違いから始まり、その次は逃げられ、また今度の遭遇と、このチョウとは何かと縁があるみたい。
 そういえば、この個体のようなオスの前翅に白斑の出るコケムシイナズマは、E. anosiaとは別種の、E. saitaphernes として扱う向きがあるのだとか。


Euthalia saitaphernes tamamitsui ♂ ― 2009年12月26日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 夕食は、ホテルのフロントで紹介された、レストラン09という店で食べた。ベトナム語のメニューしかなかったり、品切れしているメニューが多かったり、色々と難はあったけれど、ベトナムらしい味付けに反して、くせのあまり気にならない、とても美味しいお店だった。にんにくを利かせた空芯菜の炒め物に始まり、塩ゆでしたタイワンガザミ、二枚貝(ウチムラサキか何かだったと思う)のスープと、どれも良かった。女店員さんは、やけにフレンドリーだった。
南ベトナム 12月25日
[12月25日]
 Dambriへ行く。自然林と茶畑の移行帯がポイントになっていて、そこにキララシジミ類を中心とした樹上性シジミが下りてくる。
 8時頃からヒューイットソニィ Poritia hewitsoni が飛び始め、続いて9時頃、エリキノイデス P. erycinoides にとって代わった。日本のゼフィルスに例えるなら、ヒューイットソニィがアイノで、エリキノイデスがジョウザン、といったところなのかな。普段この場所では、ヒューイットソニィは少なく、エリキノイデスは喧しいほど多い、という話だったけれど、今日見たのは両種ともに5♂前後。どうやら、エリキノイデスは、例年に比べ、ひどく少ないらしい。


エリキノイデスキララシジミ♂ Poritia erycinoides ― 2009年12月25日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 キララシジミ類の占有行動が一息ついて10時を回った頃、Tajuria のオスらしきが1頭、飛び出すのを見かける。しかし、一度もとまらず、そのまま樹冠に消えてしまった。さすが、良い蝶はやってくれることが違う。神秘的な思い出を残してくれた。とでも言えば聞こえは良いけれど、実際に残るのは思い出より後悔。父は Delias に擬態していると思しき、格好良いセセリチョウ Mooreana trichoneura を撮影していた。
 午後は2種のキマダラルリツバメ類 Spindasis の探索に重きを置いて歩いた。でも、ひどく少ない。ロヒタ S. lohita は高所にとまる1♂1♀を見上げただけで、シャマ S. syama は青木さんの見つけた1♀のみ。とはいえ、そのシャマのメスは、斑紋といい鮮度といい、素晴らしい個体だった。


シャマキマダラルリツバメシジミ♀ Spindasis syama ― 2009年12月25日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM

 シロモンクロシジミ Spalgis epius の蛹を、父と海野さんが探し、2人とも1個体ずつ見つけていた。この種の蛹は、人面蛹として知られる。海野さんは、これが今回一番の目的だったらしい。
 夜はまた昨日と同じ飲食店へ。不評だった品目を避けつつ、前回と同じような内容で注文。やっぱりエビのビール蒸しが美味しい。ぶつ切りされたイカの唐揚げも好評で、2皿頼むことになった。
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