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シタキモモブトスカシバ
 今年1年間、ありがとうございました。良いお年を!

 画像はシタキモモブトスカシバ。1987年に新種として記載されるまで、長い間オオモモブトスカシバと混同されてきた歴史をもつらしい。一般にオオモモブトは普通種、シタキは珍品と言われているようだけど、県内で見ているものは今のところ全てがシタキ。秋田からも似たような話が聞こえている。オオモモブトは東北地方北部に分布していないのかもしれないし、分布していたとしてもとても珍しいものなのだと思う。


▲シタキモモブトスカシバ ―父撮影 2008年08月03日 青森県深浦町



▲シタキモモブトスカシバ ―父撮影 2008年08月09日 青森県深浦町
アオスジアゲハ
 今日はフユシャク研究で知られるナカジマさんと電話でお話することができた。僕が一方的に教えてもらう形になってしまったのは勿論のこと、入手できていなかった文献まで送って頂けることになり、いくら感謝してもしきれない。こういうものは往々にして1聞くと2〜3の疑問が湧いてくるもので、もっとフユシャクについて知りたいと思ったし、勉強しなくてはと思った。
 もともとフユシャクは蝶の見られないシーズンの暇つぶし程度のつもりで始めたけれど、これがなかなか面白くて、今ではすっかりのめり込んでしまっている。―季節的な気持ちの動きが少なからずあるとはいえ―今はどんな蝶をいじっているよりも面白い。実力がそれに伴っていないのは、ちょっと問題だけど。

 さて、今回の画像は2008年青森のアオスジアゲハ。2007-2008年の冬は見事に越えてみせたけれど、この冬も昨冬同様乗り越えてしまうのだろうか。


▲アオスジアゲハ ―父撮影 2008年08月09日 青森県深浦町



▲ヤブガラシで吸蜜するアオスジアゲハ ―父撮影 2008年07月25日 青森県深浦町


▲オナガアゲハ ―父撮影 2008年07月30日 青森県深浦町
オナガシジミ 斑紋変異個体
 フユシャクのシーズンは終わってしまったし、越冬昆虫を撮影するにはまだもう少し雪が積もり足りないような気がして、気分が盛り上がらない。大学は冬休みだけど、マンガなんかを読みながら、ついだらだらしてしまう。さて、父はどうしているかというと、今海外旅行中。ホントは僕も行きたかったのだけど、夏休みの入院を理由にお許しが貰えなかった。年明けには沢山の写真を撮ってきてくれるよう期待しつつ、これから数日間、僕の入院中に父が撮っていた写真を掲載していこうと思う。

 父の撮った写真に僕が文章を付けるのはお門違いのような気がするから、写真とは全く関係無いけど、たまには撮影機材の話でも。
 ついこの前、父の海外旅行に向けてリコーのGX200を買った。価格もかなりこなれてきていて、高級コンパクト機としてはまあまあお買い得。僕はまだ野外で使っていないから操作感等を書くのは控えておくけれど、室内でテストした印象はとても良かった。特にRAWでもストレスなく撮影できるのは一昔前のコンパクトデジカメでは考えられなかったことだから驚いてしまった。(GRのRAWは保存に時間がかかり過ぎて全く使い物にならないし、先行機のGX100でもそうらしい。)電子水準器やストロボのマニュアル調光などといった、コンパクトデジカメらしからぬ機能も良い。ただ、マニュアルで設定できるストロボ発光量はFULL〜1/32までで、ガイドナンバーはどの程度なのか分からないけれど、発光部と被写体が近くなりがちなことも相まって1/32発光でもちょっと強過ぎる。もう少し小さな発光量でも使えたらと良いのになと思う。


▲オナガシジミ。前翅基部紋と中室端紋が融合した変異個体。 ―父撮影 2008年07月21日 青森県青森市 梵珠山


▲カラスシジミ♀ ―父撮影 2008年07月21日 青森県青森市 梵珠山


▲カラスシジミの産卵 ―父撮影 2008年07月21日 青森県青森市 梵珠山
セスジスカシバの幼虫
 セスジスカシバの幼虫を撮影した。9月に成虫を撮影する傍ら採取した卵から父が飼育しているものだ。セスジスカシバは大きな赤褐色の卵を葉の縁に産むから、採卵自体はとても簡単。ちなみに、この幼虫はおそらく3齢だろうという話になっている。
 さて、このブログの読者層を考えるとこんな説明は不要かもしれないけれど、スカシバガ類の幼虫は葉を食べて育つ一般的な鱗翅目とは異なっていて、枝や蔓などの中に潜って育つ。外見も、全く知らない人が見たらカミキリムシの幼虫あたりと見間違われてしまいそうな姿をしている。やれ木質部を食べているだとか、やれ樹液を吸っているだとか、いろいろな話を耳にするけれど、実際何を食べて育っているのかよく分かっていないらしい。飼育にはそれなりの自信があるらしい父も、扱いには戸惑っているようだ。


▲セスジスカシバの幼虫。全長約8ミリ。 ―2008年12月14日 飼育下
雪とウスバフユシャク
 九州ではようやくフユシャクの発生が始まった―なんて話を聞いたけれど、青森はそろそろ本格的な冬。フユシャクすら見ることのできない時期に突入してしまう。フユシャクも今年はこれで見納めかもしれない。
 そういえば、まだ午後1時半だというのに交尾しているウスバフユシャクがいた。ウスバフユシャクの配偶行動は日没前後に行われるのが普通だから、これはかなり変。ただの偶然かもしれないし、前日の天気が悪かったからその影響があったのかもしれない。ただ、この寒い時期、特に気温の低い夜間に活動するのはリスクが高いわけで、むしろ日中に活動するのは理にかなっているような気がする。だから厳冬期に発生する昼行性のフユシャクが1種くらいいてもいいと思うし、こういう昼間に活動する個体が選択されて将来的に種分化したりすることはないのかな・・・なんて思ったりした。

 1ヶ月ほど前、突然SSP(日本自然科学写真協会)から入会案内が届いた。その時は全く心当たりがなかったから驚いた・・・のだけど、すっかり失念していた。昨日の小諸日記にSSPのことが書いてあって、急に思い出した。とはいえ、地方に住んでいる以上実質的な活動にあまり参加できないことを考えると、入会するかどうかは悩ましいところ。


▲ウスバフユシャクのオス ―2008年12月14日 青森県弘前市 弘前公園


▲ウスバフユシャクの交尾。写真では薄暗く見えるけど、撮影時刻は午後1時半。こんな真昼間に交尾している個体がいるとは思わなかった。 ―2008年12月14日 青森県弘前市 弘前公園
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