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南ベトナム 12月23日-24日
[12月23日]
 10時に家を出て、昼過ぎの便でインチョン空港へ。インチョンで青木さん海原さんと合流し、参鶏湯を食べる。参鶏湯は、丸山さんのブログで紹介されているのを見て、一度食べてみたいと思っていた。周りからは薄味だと不評。僕は割かし好きだったのだけれど。とはいえ、確かに薄味で、付いてきた塩やキムチの量も少なかった。ハズレの店だったのかもしれない。
 待ち時間にネットを巡回して暇つぶし。Fanseabさんのブログに Tajuria の生態写真が掲載されているのを見て興奮する。今回行く地域にも何種か分布しているけれど、果たして見られるだろうか。夕方にインチョンを発つ。
 夜遅くホーチミンに到着。街のにぎわいに圧倒され、煩雑さに閉口する。ホテルで海野さんと合流。

[12月24日]
 朝早くチェックアウトして、車で3時間ほど移動。その途中で初バインミー。バインミーというのは、ベトナム発祥のサンドイッチで、米粉の入った歯切れの良いフランスパンに肉や野菜などを挟んだもの。美味しい。
 9時頃、Tac Maiに到着。移動疲れのせいか、晴れすぎた天気のせいか、調子も成果も今ひとつ上がらない。頭上高くにチャイロフタオ Charaxes bernardus の白帯型♂を見るがどうにもならず、ホソバジャコウアゲハ Losaria coon はとまってくれない。
 青木さんが、訪花中のナガサキアゲハ Papilio memnon の有尾型♀を見つけ、知らせてくれる。標本や写真は何度も見たことがあったけれど、生きた現物は驚くほど綺麗で、まさに優美。薄紅色が映えていた。


ナガサキアゲハ有尾型♀ Papilio memnon ― 2009年12月24日 Tac Mai, Dong Nai, VIETNAM

 かなりの珍品とされるハナカマキリ Hymenopus coronatus が、何頭も見つかる。若干の大小はあるものの、全て中齢幼虫。こういう時、流れに乗れないのはどうしてなんだろう。僕は見つけられなかった。悔しい
 タイワンツバメシジミ Everes lacturnus や、Castalius rosimonは、初めて見た。けれど、とにかく沢山いた。普通種は後回しと思っているうち、そんなこんなで、ろくに撮影できず。反省。でも、きっとこの性分は、僕が虫屋である限り治らない。
 夕方、今回の拠点となるBao Locへ移動。夕食はベトナム料理から中華、イタリアンまで手広く扱っている、この辺りとしては小奇麗と思われる店で食べた。ベトナムではどこの店にもあるもののようだけれど、エビのビール蒸しがとにかく美味しい。生きたブラックタイガーを目の前で蒸し上げてくれる。2年前タナラタ(マレーシア)で食べたエビ料理は、日によって傷んでいることもあったのに、同じ東南アジアでここまで違うものかと思った。1kgで100,000VND(約500円)。他と比べれば高級な部類だけれど、それでも安い。ただ、羊肉の料理は羊特有の臭みが強く、添えられている香草も強烈で、苦手だった。
謹賀新年
 新年明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。

 本日、ベトナムから帰国いたしました。


ホワイトヘッディベニボシイナズマ♀ Euthalia whiteheadi ― 2009年12月26日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
明日からベトナムに
行ってきます。


Inuroisその後
 Inuroisの、一応の解決編。先日、採集したフユシャクを中島さんに見ていただき、ようやく悩みが解けました。どうも、同定に迷っていたInuroisは、大部分がウスバフユシャクということで間違いなさそうです。しかしながら、弘前公園のInuroisの中に、ウスバフユシャクに混じってヤマウスバフユシャクらしき個体が入っていたとのこと。まだどの個体の話なのか伺っていないのですが、11月29日の採集品ということなので、もしかしたらこの記事の2枚目の画像の個体かもしれません。また、11月17日の個体はやはりフタスジらしく、赤みの強い少し変わった個体だったようです。これで今度からはちゃんと自分でも同定できる、かなあ。正直まだ自信は無いけれど、大きな進歩。

 そうそう、ニコンの新しい85mmマクロを今日初めて野外で使ってみました。とにかく使いやすい、この一言に尽きます。もう2年近く150mmマクロばかり使ってきたので余計にそう感じるのかも知れませんが、あの軽量性(150mmマクロの40%以下の重さ)と手ぶれ補正、インナーフォーカスの組み合わせは、とても軽快。それから、絞り羽根の形状はかなり円形に近く、木漏れ日をつかった撮影にも向きそうです。ボケ味(どれだけボケるかではなく、どれだけ滑らかにボケるか)はもう少し使い込んでみないと何とも言えませんが、解像度は良好。これからの主戦力になりそう。


昨日までの雪はほとんど融け、陰に少し残る程度 ― 2009年12月08日 青森県弘前市


ウスバフユシャク ― 2009年12月08日 青森県弘前市
スグリ類の羽脱孔
 どうやら大学で流行りの風邪をもらってしまったようで、昨日から調子が良くありません。もう少しフユシャク、というかInuroisについて詰めたいと思っていたのですが、そろそろ発生も終わってしまうし、今年はもう間に合わないかも。くやしいな。

 さて、前々回書いた撮影機材の話なのですが、ついに注文してしまいました。85mmマクロ。と、D90とSB-R200。長すぎないマクロレンズと新しいボディ、それからマクロストロボは、以前からずーっと欲しいと思っていたものなのですが、当然それぞれがそれなりの値段で、僕の買い物高額記録を大きく更新しそうです。プレイステーション3や近々発売されるファイナルファンタジー13は、もちろん買えません。
 ところで、海野さんがこの85mmマクロについて「フルサイズのD700でFXフォーマットでシャッターを切ったら、ほんの少しだけけられたが、DXフォーマットのレンズとしてはケラレが少ない。」と書いているのは、ちょっと気になります。というのも、同時発表のD3Sに、新しく1.2倍クロップモードが追加されているからです。そのイメージサークルを満たしていたりはしないのかな。85mmは1.2倍すると102mm相当、つまり一般的な中望遠マクロとほぼ同じ画角。それなら85mmという微妙な焦点距離も納得できます。まあ、完全な妄想ですけれど。

 最後になってしまいましたが、写真の話。スグリ類の世界的害虫として知られるスカシバガが、近年日本でも見つかりました。日本ではその外来種をスグリコスカシバなどと呼んだたりしているようですが、これはその羽脱孔と思われます。


外来種スグリコスカシバのものと思われる羽脱孔 ― 父撮影 2009年12月02日
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