クロシジミなどと同様、このムモンアカシジミもアリと深い関係を持ちます。しかし、この種の場合、アリから給餌を受けることも無ければ、アリを捕食することもありません。クサアリ類の営巣する木に付き、アリと共に行動することで身を護りながら、植物質から動物質まで周囲にある様々な物を自ら摂食して育ちます。また、シジミチョウ類の幼虫には、アリとの関係性の深浅に寄らずアリを手懐けるため(?)の蜜を分泌するものが多いのですが、ムモンアカシジミはその蜜腺すら持っていません。何とも不思議なチョウです。
群がるクロクサアリと、それに動じないムモンアカシジミのオス ― 2009年07月26日 青森県深浦町