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チョウ類保全シンポジウム
5月4・5日に山形県鮭川村で開催されたチョウ類保全シンポジウムに参加してきました。1日目のフィールドワークにしか参加できなかったのは残念でしたが・・・。昆虫関連の集まりとしては若者が多く(それでもやっぱり少ないと思うのですが)、高校生や大学生、大学院生の参加者もいました。
フィールドワークは3グループに分かれての活動だったのですが、僕は撮影会グループで海野さん高嶋さんのお手伝いをさせていただきました。・・・ということに表向きはなっていたみたいですが、参加者に紛れて撮影していたというのが実際のところです(苦笑)


▲ニワハンミョウ。翅の曲げ具合から、カーブしているところだということが分かる。ギフチョウはあまり見られなかったけれど、このハンミョウは沢山いた。 (2008年05月04日 山形県鮭川村 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲実演を交えつつ撮影方法を説明する海野さん。ギフチョウ以上に、海野さんが被写体になっていたような・・・。 (2008年05月04日 山形県鮭川村 Olympus E-330, 14-54mm)


▲ギフチョウのメス。時期が少し過ぎていたようで、あまり数は見られなかった。父撮影。 (2008年05月04日 山形県鮭川村 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲ミチノクサイシンに産み付けられたギフチョウの卵。ミチノクサイシンに産卵するのは、この地域ならでは。片手にレフ板を持って撮影しようとしていたら、ハタナカさんが手伝ってくれた。小諸日記に掲載された写真の中に、ちょうどこの写真を撮っている僕とハタナカさんが小さく写り込んでいてビックリ。 (2008年05月04日 山形県鮭川村 Olympus E-330, 14-54mm)


▲Nikon COOLPIX P80でギフチョウの卵を撮影する海野さん。ミチノクサイシンの葉の小ささと群落の大きさがよく分かると思う。 (2008年05月04日 山形県鮭川村 Olympus E-330, 14-54mm)


▲鮭川村のギフチョウ生息地から望む鳥海山。田んぼは丁度土を起こしたところで、まだ水は張っていなかった。 (2008年05月04日 山形県鮭川村 Olympus E-330, 14-54mm)


▲帰る道すがら、山形県北西端の遊佐町から鳥海山を撮影。当然ながら、内陸の山の中にある鮭川村よりも季節の進行は早く、田んぼには既に水が張られている。 (2008年05月04日 山形県遊佐町 PENTAX *ist DS, 17-70mm)
ツチハンミョウの産卵
[チョウ類保全シンポジウム]
5月4〜5日のチョウ類保全シンポジウムに参加するため、今日の夕方には山形県へ向かいます。
またEX-F1が借りられたので、それも持っていこうと思います。(でも、返した次の日にまた借りに行くなんて、なんて迷惑な・・・。)
どうやら参加者は大勢いるようで、どんな方に会えるのか楽しみです。

[スギタニルリシジミ]


▲スギタニルリシジミ♂。父撮影。 (2008年04月30日 青森県大鰐町 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲スギタニルリシジミ♀。父撮影。 (2008年04月30日 青森県大鰐町 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲ニリンソウでの吸蜜 (2008年04月29日 青森県黒石市 PENTAX *ist DS, 105mm)

[ツチハンミョウの産卵]
視線の先に、黒光りするちょっと大きめな物体を発見。どうせミヤマクワガタのメスの上翅だろ・・・くらいに思いながら一応近づいて確認してみると、巣穴を掘っているツチハンミョウのメスでした。
実は、実際にツチハンミョウの造巣・産卵を見たのは、これが初めて。本当に図鑑通りの行動をとるんですね(当然だけど・・・)。
ところで、この写真を撮っている最中に地震が起こってびっくりしました。何事もなくて良かったけれど。


▲ツチハンミョウの仲間。大きな腹部だけを出して、産卵するための穴を掘っているところを見つけた。 (2008年04月29日 青森県黒石市 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲穴を掘り終え一旦出てきて、腹部が下になるよう方向を変え、今度は産卵のために穴に入って行くところ。 (2008年04月29日 青森県黒石市 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲頭だけ出して、まるで湯船につかっているかのような状態で産卵する。 (2008年04月29日 青森県黒石市 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲上から見た様子。 (2008年04月29日 青森県黒石市 PENTAX *ist DS, 105mm)

[コヤガ]
コマダラウスバカゲロウの幼虫の様子を見に行ってみると、コヤガの幼虫(らしき芋虫)が3頭見つかりました。
ほんと、この虫の身の潜める上手さは異常です。


▲コヤガの仲間の幼虫(だと思う)。かなり分かり辛いけれど、中央に見える芋虫型をしたものがそれ。前回見つけたものよりもスリムで小さく、さらに見つけにくかった。 (2008年04月29日 青森県黒石市 PENTAX *ist DS, 105mm)

コツバメ 飛翔
コツバメの飛翔の速さの秘密を探ってみようと思い、飛翔写真やハイスピードムービーを撮って前回撮影したスギタニルリシジミと比較してみました。
ところが、羽ばたきの速さは結構違うものの、飛び方、というか飛翔フォーム自体には、大きな違いを見出せません。コツバメの飛翔が速いのは、何か特別な秘密があるわけではなく、ただ単に筋肉の発達が強いからなのではないか・・・という、つまらない結論に行きついてしまいました(苦笑)
強いて言うなら、胴体が大きい(重い)分、慣性力が強くはたらいて、速く飛ぶのに有利なのかもしれません。


▲コツバメのオス (2008年04月29日 青森県黒石市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲コツバメのオス。前翅中室端にある楕円形の性斑がオスの特徴。 (2008年04月29日 青森県黒石市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲前脚を上げて翅を振り下ろす離陸フォームは、前々回のスギタニルリシジミとほぼ同じ。 (2008年04月29日 青森県黒石市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲コツバメの飛び立ち。600fpsで撮影。飛び方はスギタニルリシジミとほぼ一緒だが、羽ばたきが速い。 (2008年04月29日 青森県黒石市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)
スギタニルリシジミ♀ 開翅
[スギタニルリシジミ]
スギタニルリシジミの翅表はなかなか写せません。特にメスは、オス100頭採ればメス1頭、なんて言われる事もあるくらい本来見つけにくいものだということもあって、翅を開いている生態写真というのは殆ど見たことがありません。(全く見たことないわけではないのですが・・・。)もちろん、僕も父も、そのような場面に出会ったことはありませんでした。
今回はそんなスギタニルリシジミのメスが、翅を開いてとまっていたので驚きました。
午前中下草に降りてきて翅を開くという行動のパターンや、翅開条件のクセは、どこかフジミドリを連想してしまいます。


▲スギタニルリシジミ♀。この蝶のメスが翅を開いているところは初めて見た。父撮影。 (2008年04月26日 青森県青森市 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲スギタニルリシジミ♀。僕と父で各々1度ずつ開翅しているメスを見つけることができた。 (2008年04月26日 青森県青森市 PENTAX *ist DS, 105mm)

[弘前公園]
弘前が1年で最も盛り上がるのは、このゴールデンウィークです。全国から花見客が大勢訪れ、(良くも悪くも)凄いことになります。
ただ・・・今年は桜がもう殆ど散ってしまっているので、例年ほどの人出を期待できないような気がします。例年であれば、GW人出数は博多どんたくと首位を争う場所ですし、先日の警察庁の発表でも博多どんたくと同率1位と予想されていましたが、おそらくそうはいかないでしょう。
そういえば、明日弘前公園で花見をするサークルがぽつぽつあるような話を聞いているのですが・・・学生は花より団子だから、葉桜でも問題無いのかもしれません(笑)


▲ソメイヨシノの花はもう大部分が散ってしまっていた。葉桜の中の桜祭りは、ちょっと悲惨。 (2008年04月27日 青森県弘前市 弘前公園 PENTAX *ist DS, 14mm)
EX-F1 試写
[ヒメギフの受胎嚢を付けたギフチョウ]
ナガハタさんのブログ「世界のブナの森」で、ヒメギフチョウのスフラギス(受胎嚢)を付けたギフチョウの産卵写真が紹介されていて、驚きました。これは凄い。
ちなみに、この写真と逆パターンのギフ♂×ヒメギフ♀の組み合わせは致死的で飼育下でも孵化すらしないことが知られていますが、この写真のようなヒメギフ♂×ギフ♀の組み合わせはきちんと成虫になり得ます。

[チョウ類保全シンポジウム]
5月4日〜5日に、山形県鮭川村で「チョウ類保全シンポジウム -ギフチョウ・ヒメギフチョウ-」が開催されます。
僕も5月4日の撮影会に協力することになってます。

[EXILIM PRO EX-F1]
今話題のカシオの新機種「EXILIM PRO EX-F1」を大学の研究室から貸していただくことができたので、昨日はその試し撮りをしてきました。
まずは、昆虫関係者の中で特に注目度の高かったパスト連写(シャッターを半押ししている間、映像をバッファメモリに格納し続け、シャッターを切った瞬間にその前後合わせて60コマを保存するという機能)の感想から。
パスト連写は、チョウの飛び立つ瞬間などを写し止めるには、この上なく確実かつ簡単な方法だと思います。昨日も何度かスギタニルリシジミの飛び立ちをパスト連写で撮影してみましたが、構図を変えようと半押しを止めて体を動かしている間に飛ばれてしまったことが何回かあったものの、それ以外には失敗なく飛翔写真が撮影できました。


▲前脚を上げ翅を振り下ろして、飛び立とうとするスギタニルリシジミ♂。パスト連写で撮影。飛ぶ直前に前脚を動かして準備運動のような行動をとることや、この写真のように飛び立つ瞬間前脚を上げること、ゼフィルスのオスが占有時に前脚をたたむことは、タテハチョウの前脚が退化していることと無関係ではないのかもしれない。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲上の写真の次のコマ。60コマ/秒だから、約0.017秒後ということになる。こうしたシーンを危なげなく狙えるところは、この機種の強みだと思う。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)

また、パスト連写でもそうでなくても、60コマ/秒の速さで60コマまでシャッターが切れレリーズタイムラグも少なめなので、飛び立つ瞬間だけでなく、そもそも普通に飛んでいる昆虫の飛翔写真自体、簡単に撮れてしまいます。普通の一眼レフもどんどん高速化してきてるし、もう今や誰でも飛翔写真が撮れる時代なのだと痛感しました。
これだけ気軽に飛翔写真が撮れてしまうと背景を考えるゆとりも十分にあるので、ただ飛んでいるだけの飛翔写真から1ステップ抜け出した写真を撮ることも可能だと思いますし、これからはそういう写真が要求される時代になると思います。
ちなみに、画質はあまり褒められたものではなく、最近のデジタル一眼レフなどと比べてしまうのは可哀想です。4〜5年前の高級一体型デジタルカメラくらいの画質と表現すれば分かりやすいでしょうか。ただ、大伸ばしにしたりピクセル等倍で見たりしない限り、そう大きな支障はないだろうと思います。


▲シモフリコメツキの仲間。これは飛び立ちを狙ったのではなく、飛んでいるのを見つけて追いかけながら撮影。パスト連写を使わずとも、さすがに秒60コマも撮れれば飛翔写真は難しくない。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)

ところで、僕がパスト連写以上に期待していた機能が、ハイスピードムービーです。このカメラでは、画像サイズは小さくなってしまいますが、チョウの羽ばたきすら目で追えるほどの超スローのムービーが撮影でき、それこそ今まで動きが速すぎて観察不可能だったものが観察できるようになります。(ハイスピードムービーという名前なのに超スローなムービーだなんて言うと、ちょっとややこしいけれど。)こういう機能をもったカメラは、今までそれこそ何百万円とか、そういう手の届かないような値段が付いていました。
今まで見えなかったものが見えるのは面白いし発展性もあるので、これから昆虫の行動を本気で見ていこうという人には必須なツールになってくるかもしれません。
他にも色々な思う所がありますが、今回はこの辺で。


▲600fps(0.05倍速)で撮影したスギタニルリシジミ♂の飛び立ち。自発飛翔する直前には、何度か前脚を動かして準備運動的な行動をとるようだ。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲300fps(0.1倍速)で撮影したスジグロシロチョウ♂の飛翔。こうして見てみると、羽ばたきの速度はほぼ一定だけれど、翅を振り上げてから振り下げ始めるまでの時間がまちまちで、これがあのフワフワした飛び方につながっているのだと思う。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


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