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EX-F1 試写
[ヒメギフの受胎嚢を付けたギフチョウ]
ナガハタさんのブログ「世界のブナの森」で、ヒメギフチョウのスフラギス(受胎嚢)を付けたギフチョウの産卵写真が紹介されていて、驚きました。これは凄い。
ちなみに、この写真と逆パターンのギフ♂×ヒメギフ♀の組み合わせは致死的で飼育下でも孵化すらしないことが知られていますが、この写真のようなヒメギフ♂×ギフ♀の組み合わせはきちんと成虫になり得ます。

[チョウ類保全シンポジウム]
5月4日〜5日に、山形県鮭川村で「チョウ類保全シンポジウム -ギフチョウ・ヒメギフチョウ-」が開催されます。
僕も5月4日の撮影会に協力することになってます。

[EXILIM PRO EX-F1]
今話題のカシオの新機種「EXILIM PRO EX-F1」を大学の研究室から貸していただくことができたので、昨日はその試し撮りをしてきました。
まずは、昆虫関係者の中で特に注目度の高かったパスト連写(シャッターを半押ししている間、映像をバッファメモリに格納し続け、シャッターを切った瞬間にその前後合わせて60コマを保存するという機能)の感想から。
パスト連写は、チョウの飛び立つ瞬間などを写し止めるには、この上なく確実かつ簡単な方法だと思います。昨日も何度かスギタニルリシジミの飛び立ちをパスト連写で撮影してみましたが、構図を変えようと半押しを止めて体を動かしている間に飛ばれてしまったことが何回かあったものの、それ以外には失敗なく飛翔写真が撮影できました。


▲前脚を上げ翅を振り下ろして、飛び立とうとするスギタニルリシジミ♂。パスト連写で撮影。飛ぶ直前に前脚を動かして準備運動のような行動をとることや、この写真のように飛び立つ瞬間前脚を上げること、ゼフィルスのオスが占有時に前脚をたたむことは、タテハチョウの前脚が退化していることと無関係ではないのかもしれない。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲上の写真の次のコマ。60コマ/秒だから、約0.017秒後ということになる。こうしたシーンを危なげなく狙えるところは、この機種の強みだと思う。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)

また、パスト連写でもそうでなくても、60コマ/秒の速さで60コマまでシャッターが切れレリーズタイムラグも少なめなので、飛び立つ瞬間だけでなく、そもそも普通に飛んでいる昆虫の飛翔写真自体、簡単に撮れてしまいます。普通の一眼レフもどんどん高速化してきてるし、もう今や誰でも飛翔写真が撮れる時代なのだと痛感しました。
これだけ気軽に飛翔写真が撮れてしまうと背景を考えるゆとりも十分にあるので、ただ飛んでいるだけの飛翔写真から1ステップ抜け出した写真を撮ることも可能だと思いますし、これからはそういう写真が要求される時代になると思います。
ちなみに、画質はあまり褒められたものではなく、最近のデジタル一眼レフなどと比べてしまうのは可哀想です。4〜5年前の高級一体型デジタルカメラくらいの画質と表現すれば分かりやすいでしょうか。ただ、大伸ばしにしたりピクセル等倍で見たりしない限り、そう大きな支障はないだろうと思います。


▲シモフリコメツキの仲間。これは飛び立ちを狙ったのではなく、飛んでいるのを見つけて追いかけながら撮影。パスト連写を使わずとも、さすがに秒60コマも撮れれば飛翔写真は難しくない。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)

ところで、僕がパスト連写以上に期待していた機能が、ハイスピードムービーです。このカメラでは、画像サイズは小さくなってしまいますが、チョウの羽ばたきすら目で追えるほどの超スローのムービーが撮影でき、それこそ今まで動きが速すぎて観察不可能だったものが観察できるようになります。(ハイスピードムービーという名前なのに超スローなムービーだなんて言うと、ちょっとややこしいけれど。)こういう機能をもったカメラは、今までそれこそ何百万円とか、そういう手の届かないような値段が付いていました。
今まで見えなかったものが見えるのは面白いし発展性もあるので、これから昆虫の行動を本気で見ていこうという人には必須なツールになってくるかもしれません。
他にも色々な思う所がありますが、今回はこの辺で。


▲600fps(0.05倍速)で撮影したスギタニルリシジミ♂の飛び立ち。自発飛翔する直前には、何度か前脚を動かして準備運動的な行動をとるようだ。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


▲300fps(0.1倍速)で撮影したスジグロシロチョウ♂の飛翔。こうして見てみると、羽ばたきの速度はほぼ一定だけれど、翅を振り上げてから振り下げ始めるまでの時間がまちまちで、これがあのフワフワした飛び方につながっているのだと思う。 (2008年04月26日 青森県青森市 CASIO EXILIM PRO EX-F1)


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Commented by maeda at 2008/04/28 06:27
飛翔撮影にために非常に興味があった機種です。
すでに数人の方々が使用されているのを見て、良いと思っているのですが、今回は購入見送りの予定です。
次の機種(出るのかなあ?)当たりが良いだろうと思っています。
Commented by ze_ph at 2008/04/28 18:56
maedaさん
鑑賞目的の飛翔写真用と考えると、画質面などで少なからず不満が出てくるような気がします。
人間の目では観察できない瞬間を観察・記録するための機械、くらいの位置付けが妥当かもしれません。
無論、後継機が正当な進化を続け、鑑賞目的の撮影もこなせるようになるったら完璧ですね。
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