[12月30日]
今度は朝からGung Reへ。心配していた天気も全く問題なし。
小ピークまで登ると、青いイナズマチョウの仲間が2頭、テリトリーを張っていた。うち1頭は新鮮な
Tanaecia julii。広域分布の普通種らしいけれど、綺麗で迫力があった。とても敏捷で、撮影は大変。
Tanaecia julii ♂ ― 2009年12月29日 Gung Re, Di Linh, Lam Dong, VIETNAM
ちなみに、もう一方の個体は、ややスレの目立つ
Cynitia stellata だった。2004年に記載されたばかりの種。
そうこうしていると、何やら、見覚えのない変な黒いアゲハが頭上高くを飛んでいった。さっきからモンキアゲハが周りを飛んでいるけれど、それとは絶対違うし、シルエットも飛び方も普通じゃなかった気がする。となると、クロカギバ? いやいや、そんなはずは。
その頃、10mくらいの高い木の上で、いくつもの黒い影が争い飛んでいた。なんでも、その影の中に気になるものがあるらしい。海野さんはそれを撮影して、種類を見極めようとしていた。
しばらくして、海野さんに呼ばれる。木の上の影の正体は、あるものは
Athyma nefte だった。けれど、またあるものは、何と、クロカギバアゲハ
Meandrusa lochinus だったと言う。信じられない。梢を見上げると、確かに、やや小ぶりな黒いアゲハが2〜3頭、他の蝶に混じって凄まじい速さで飛んでいた。タテハみたいに硬質な羽ばたきで、一見するとアゲハチョウには見えない。すごい。僕は見極められなかった。
クロカギバアゲハ♂
Meandrusa lochinus ― 2009年12月29日 Gung Re, Di Linh, Lam Dong, VIETNAM
小ピークから戻る途中、イシガケチョウ
Cyrestis thyodamas の蛹を見つけた。通路から離れた位置に付いていたのに、どうして見つけられたのか、自分でもよく分からない。
イシガケチョウ
Cyrestis thyodamas の蛹 ― 2009年12月29日 Gung Re, Di Linh, Lam Dong, VIETNAM
ホテルに戻ると、28日に見つけたイナズマチョウらしき蛹が、羽化していた。驚いたことに、コケムシイナズマのメスだった。