[12月31日]
南ベトナム最終日。ホーチミンへ向かう道すがら、Madagui、それから初日にも行ったTac Maiに立ち寄るプラン。
しかし、実際行ってみると、予定していたMadagui周辺のポイントは切り開かれ、環境がダメになってしまっていた。ベトナムは今、経済成長のまっただ中。環境破壊の速度は日本以上かもしれない。仕方が無いので真っすぐTac Maiへ。
Tac Maiでは、着くなりたて続けに、ハナカマキリの中齢幼虫が2頭見つかった。僕は初日に1頭も見つけられなかったから、雪辱を果たした気分。その後さらに2頭追加して、今日見つけたハナカマキリは、僕だけでも4頭に。初日にも思ったけれど、こんなことってあるんだ
……。
ハナカマキリ
Hymenopus coronatus の中齢幼虫 ― 2009年12月31日 Tac Mai, Dong Nai, VIETNAM
しばらく1人で歩いていると、今度は何やら茶色いシジミチョウを見つけた。最初はシジミタテハの仲間かなとも思ったけれど、ここに分布する茶色系のシジミタテハに、これほどの小型種はない。となると、もしかして
……。撮影しつつ確認すると、予想通りキララシジミ類のメスだった。それも、ヒューイットソニィやエリキノイデスの所属する
Poritia とは、明らかに別属。あとで調べて、
Simiskina phalia だということが分かった。
Poritia属以外のキララシジミは別格の珍品揃いで、
Simiskina はその中ではよく見られる方らしいけれど、それでも珍しい。
珍品と言えば、
Neomyrina nivea のメスも一度出てきた。これがなかなか癖悪くちょこまかと飛び回って、なかなか撮影できない。追い掛けまわしているうちに集合時間を大幅に遅刻し、周りに迷惑をかけてしまった。
Neomyrina nivea ♀ ― 2009年12月31日 Tac Mai, Dong Nai, VIETNAM
今度は車で少し移動して、
Graphium やシロチョウ類の吸水ポイントへ。斉藤さんの話によると、4〜5月には何十頭もの吸水集団が見られる場所らしい。時期柄それほど大きな集団ではなかったけれど、オナガタイマイ
Graphium antiphates やアオスソビキアゲハ
Lamproptera meges など、様々な種類が集まっていた。
右から、オナガタイマイ
Graphium antiphates、タイワンシロチョウ
Appias lyncida 6頭、ムモンキチョウ
Gandaca harina、
Eurema sp. ― 2009年12月31日 Tac Mai, Dong Nai, VIETNAM
と、これにてベトナムでのフィールド活動は全て終了。