最初この個体を見たとき、種類が分かりませんでした。斑紋パターンや翅形はマレーシアでも見た
Caleta roxus によく似ているものの、その近縁種でこんな色合いのものは覚えがありません。サカハチシジミの仲間は
C. roxus の他に
、Castalius rosimon、
Discolampa ethion も近くにいたのですが、勿論それらとも全く違います。
ホテルに帰ってから調べてみると、なんとマレーシアで見た
Caleta roxus の近縁種、
C. elna の乾季型だということが分かりました。僕の知っている
C. elna は白と黒のパンダ柄で、それは雨季型。対して乾季型は、この個体のように、黒斑が白化するのだとか。通りで覚えがないわけです。温帯に住む人間からしてみると、四季のない熱帯で季節多型というのは何とも違和感を覚えるのですが、そういう種類は結構あって、同定に苦労させられます。図鑑に片方の季節型しか図示されていない、ということが多々あります。
Caleta elna 乾季型 ― 2009年12月25日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM