▲ヤマトスジグロシロチョウ♀(5月15日 青森県青森市 PENTAX *ist DS,105mm)
▲スジグロシロチョウ♀。比較のため再掲載。(5月9日 青森県弘前市 PENTAX *ist DS,105mm)
▲道路上でクロマルエンマコガネを襲うクロヤマアリ(5月15日 青森県青森市 PENTAX *ist DS,105mm)
スジグロシロチョウとヤマトスジグロシロチョウ(エゾスジグロシロチョウの本州亜種とされることもある)の春型の区別には、いつも困ってしまいます。
飛んでいるのを見れば雰囲気でおおよそどちらの種なのか見当はつきますし、図鑑にもいくつかの区別点が載っていますが、どの区別点もあまりデジタルな区別点とはならず、きちんとした根拠をもって同定しようと思うと難しいです。
しかし、つい最近標準図鑑を読んでいたところ、次のような記述が目につきました。
(春型のヤマトスジグロシロチョウは、)スジグロシロチョウとの区別は一層困難に見えるが、後翅裏面基部にある肩脈の状態で容易に判別できる。すなわち、本種(ヤマトスジグロシロチョウ)の肩脈は短く先端がにぶく不明瞭であるが、スジグロシロチョウでは、より長く外方へのび、先端は鋭くとがりより明瞭である。
―日本産蝶類標準図鑑から本文抜粋(カッコ内除く)
・・・これは確認してみるしかありません。この区別点は知りませんでした。
そういうわけで、肩脈(矢印で示している後翅基部の小さな翅脈)の周辺を拡大してみたのが上の2枚の写真です。
確かに、ヤマトスジグロらしき個体は肩脈が太短く不鮮明なのに対し、我が家の庭で撮影したスジグロらしき個体は肩脈が細長くシャープです。
もっと多くの個体を精査してみないことにはこの区別点の信憑性がどこまでのものなのか分かりませんが、生態写真でヤマトスジグロとスジグロを区別する際には役に立ちそうです。