ここ数年写真を撮るようになってから、捕虫網を持つことなんてほとんど無かったのですが、最近またよく網を振り歩くようになりました。でも、チョウは採りません。ガを採っています。
最近スカシバガの仲間にハマっていると何度か書いたと思いますが、スカシバガの生態写真を撮るのは、本当に難しい。フェロモントラップ以外ではそう簡単に見つけられるものではないし、フェロモントラップで誘引しても、まず止まることは無くて周囲を飛び回るだけ。それに、長い時間留まってもくれません。(すぐに飛び去って戻ってこない。)
もちろん本当は採集より撮影がしたいのですが、僕の技量で確実に成果をあげようと思うと、正直、採集するしか術がありません。飛翔写真は撮ろうと思えば撮れなくもないのですが、キタスカシバのようにもう十分記録のある種ならまだしも、ろくに記録も無い珍種で飛翔写真に挑戦するというのは、かなり怖いです。今日もキクビスカシバ(結構珍しい)がトラップに飛んできたのですが、飛んでいるキクビスカシバにカメラを向ける勇気はありませんでした。
ただ、このセスジスカシバだけはちょっと違って、フェロモントラップとは関係無しに、葉上に止まっている個体や産卵している個体を見つけられています。(逆にフェロモントラップでは成果が全くあがっていないのだけれど・・・。)なかなか近づけない上に、(夕方に活動するため)あまり光条件に恵まれないので、簡単とは言えないのですが、それでも一応何とか生態写真が撮れます。
昨日は、目の前で交尾をする様子も観察できました。ただ、交尾を始めたのがもう日没してしまってからのことだったので、暗すぎて上手く写真が撮れません。そこで、そのペアを交尾した状態のまま持ち帰って、部屋で撮影することにしました。基本的に、虫の写真は野外で撮る、というスタンスを曲げるつもりはないのですが、場合によっては室内写真も有り、というか、仕方無いかな・・・と。室内写真も撮るけれど、野外での写真とは区別して掲載するというのが、自分なりのルールになりそうです。
▲セスジスカシバ。上の写真は、交尾ペアを持ち帰って屋内で撮影。下の写真は野外で撮影したメス。 (2008年09月09日 青森県黒石市 Nikon D200, 150mm)
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まさ at 2008/09/11 18:35
貴重種ではそういった葛藤を何度も経験しますね。
迷っているうちに、二兎追う者は〜な結果になってしまったこともしばしば・・・。
側面から見るとあの獰猛なシオヤアブっぽくも見える気がします。
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spatica at 2008/09/11 23:01
スカシバはかっこいいですね。普段あまり見ないあたりもポイント高いです。
一枚目は背景が自然で室内とは思えない感じに撮れてますね。
やろうと思ってもなかなかこうは撮れないです。
基本的な軸足は野外に置くとしても、いろいろ試してみた方が幅が広がりそうな気がします。
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ze_ph at 2008/09/12 02:04
まささん
僕の場合、蝶はよほどの珍種でも逃げられても何とも思わないのですが、本来専門でないはずの昼蛾は、なぜか逃げられるとちょっと勿体ないような気がしてしまいます。
二兎追う者〜な結果は、よくあるけど一番ショックなパターンですね・・・
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ze_ph at 2008/09/12 02:54
spaticaさん
スカシバ面白いです。かなりハマってます。
今日もスカシバ探しに行ってきました(4日連続)
室内撮影は、素人なりに頑張っているつもりなのですが、なかなか思うようにいきません。
今日もこの交尾のカットと同じようなセッティングで撮ったのですが、前回以上に苦戦しました・・・
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