こんばんは Celastrinaです。
好蟻性シジミチョウに関心を抱く者として、ぜひとも撮影したかったのがベトナムの
Spindasis(キマダラルリツバメの仲間)でした。日本鱗翅学会の会誌「やどりが」に掲載された「南ベトナムの蝶相(4)」(宮崎ほか,2006)によると、今回訪れたDamburi(標高約900m)からは
S. lohitaと
S. syamaの2種が記録されていて、前者は稀種、後者は普通種とのこと。
確かに同地では、2種の
Spindasisが撮影できました。まず今回は、
S. lohitaと思われる画像を掲載します。ここで、「
S. lohitaと思われる」としたのは、腹部や頭部に赤色鱗がのっている点や、黒帯が茶色味を帯びる点、雌雄の裏面地色に変異がある点など、昨年
マレーシアで撮影したS. lohitaとは大きく異なっていたからです。後翅裏面基部にある黒点列が融合しているので
S. syamaでないことは確実なのですが、はたして
S. lohitaでよいのか、それとも同地では未記録の近似種
S. seligaなのか・・・・サイズもマレーシアの
lohitaよりはるかに大型ですが、ここではロヒタキマダラルリツバメとして掲載しておきます。
▲ロヒタキマダラルリツバメ
S. lohitaと思われる種のオス。青紫光沢は日本のキマダラルリツバメ同様だが、はるかに大型。頭部と腹部の赤色鱗が印象的。 ―父撮影 2008年12月27日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
▲ロヒタキマダラルリツバメ
S. lohitaと思われる種のメス。頭部や腹部ばかりか、前翅の基部にまで赤色鱗がのっている。 ―父撮影 2008年12月27日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
▲GX200で撮影した交尾(左♂、右♀) 。乾燥の影響で背景の木々が茶色っぽい。 ―父撮影 2008年12月27日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
▲交尾(左♂、右♀)。 このペアは雌雄が同色。 ―父撮影 2008年12月28日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
▲交尾(左♂、右♀) 。ちなみに3枚の交尾写真は全て異なるペア。 ―父撮影 2008年12月28日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
▲ディスプレイは炎天下だというのに12時半頃から観察された。 ―父撮影 2008年12月28日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
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Commented by maeda at 2009/01/05 06:30
強烈なブルーですね。
胴の赤もさすが南方系といった感じです。
maedaさん
腹部の赤さには本当に驚きました。特にメスは翅表地色が淡い黒色なだけに、前縁の赤色鱗が際立ち、ピントを合った瞬間に思わず唸ってしまいました。
Commented by えいきち at 2009/01/07 00:28
うーん、うなるしかない。
こんなにいたのですか。
しかもペアリングを3組も。
信じられないです。
それにしても、きれいな写真で、コメントを書かずにはいられない。
胴が赤いなんて、知らなかったです。
この写真を見て、初めて知りました。
ちなみに、時期が悪かったのかも知れないけれど、ダンブリではまだ見たことが無いです。
えいきちさん
Spindasisとともに撮りたかったのがNiphandaでした。同地はN.cymbiaが多いと聞いていたのになかなかみつからず、がむしゃらに探し歩いていたら、偶然lohitaの発生地に行き当たりました。運がよかったのでしょう。
Commented by えいきち at 2009/01/08 00:24
Niphandaも珍品だと思います。
私は1頭採っただけ、それも5年前に最初に訪れた時にです。
偶然発生地を見つけたのですか。
それは運が良かったですね。
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