「ベトナムへ行ってきた本人が書いた方がいい」とze_phに言われ、それもそうだということで今日からベトナムの記事はCelastrinaが担当します。
今回のベトナムで最も撮影に力を入れた蝶は年始の挨拶ページに1枚だけ掲げたキララシジミなのですが、この仲間は複数種あるうえに画像が多すぎてまだ整理がつきません。このためキララ類の本格的な紹介は後日あらためることをお約束して、今回はファブロニア。
この個体、樹上から茶畑へ舞い降りるところに偶然遭遇したのですが、真珠光沢を帯びた白い地色とすらりと伸びた尾状突起、その基部に青色斑まで散りばめた上品な姿に思わず唸ってしまいました。その印象は白いアオザイ。そう、ベトナムの民族衣装として有名な、あのアオザイです。このため種名のファブロニアと呼ぶよりも、「アオザイシジミ」と勝手に名づけたことは言うまでもありません。
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Neocheritra fabronia ―父撮影 2008年12月27日 Dambri, Lam Dong, VIETNAM
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fanseab at 2009/01/04 07:49
あけましておめでとうございます。
ベトナム遠征、お疲れ様でした。いきなりのキララ画像にクラクラしました!
もの凄い成果を予想される出だしで、今後に期待しております。
fabroniaは後翅に膨らみがありますね。性標だとしたら♂ですかね?
このシジミ、葉裏にも止まる・・・との記述を見ましたが、そんな挙動は
ありましたでしょうか?
fanseabさん
この地域の蝶を何年間も調べ続けて学会誌に発表している方たちと同宿させていただいたのですが、Dambriは茶畑に農薬をまくようになり、蝶の数は激減しているそうです。確かに普通種すら驚くほど少ないし、いたるところに農薬の空瓶がころがっていて、被写体さがしには苦労しました。
ファブロニア、ご指摘どおり後翅前縁の丸い膨らみは♂の性標です。キララの飛翔が終わった頃、周辺の高木林から茶畑へ舞い降りたのですが、この個体は葉裏にとまろうとはしませんでした。活動時間が近づいていたのかもしれません。
8日間もベトナムの野山を歩いたのに、みつけたファブロニアは2♂のみ。うち1♂はボロボロで、画像の1♂が新鮮個体だったのはラッキーでした。
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おーやぎ at 2009/01/04 19:14
あけましておめでとうございます。
今日インドネシアの地震のニュースをみて、Celastrinaさんは近くでなかったかと妻と心配をしていたところでした。ご帰国されていたと安心しました。
今年もどうぞよろしくお願いします。
おーやぎさん
あけましておめでとうございます。
5年前にマレーシアへ行った時は入国直前にジャワ地震でマラッカ海峡に津波が発生し、3年前のスラウェシは洪水、今回は帰国の翌々日にニューギニアで地震とか。年末ばかり災害が発生する赤道地帯は無気味です。
今回は蝶だけでなくベトナム戦争の激戦地やホーチミンの市内観光もしてきました。東南アジアにしては国民性が日本人的で、とても魅力的な国だと思いました。
Commented by えいきち at 2009/01/04 23:59
なんてきれいなファブロニア。
これだけきれいな個体は、よほど運がないと見られません。
腕だけじゃなく、運もあるのですね。
性標のふくらみといい、優美な尾突といい、素晴らしい写真です。
えいきちさん
白くて長い尾のある姿が見えたときは、ビリトン島でたくさん見かけたNeomyrina niveaかと思いました。Niveaは葉裏にとまるうえに敏捷なので、舞い降りてもどうせ撮影できないと思いながら近づいたのですが、お茶の葉上にちょこんととまったまま動きません。
こりゃアオザイだぁとと言いながら夢中でシャッターをきりました。つぶらな瞳がいいですね。
Commented by ぽんぽこ山本 at 2009/01/16 01:49
たいへん遅くなりましたが、「明けましておめでとうございます」
いいお正月を過ごされたようで・・・・・羨ましいです。
ツノゼミも多かったようで・・・羨ましい!
後でわかったのですが後輩のA氏もご同行していたようで・・・彼にも「羨ましい」といっておきました。【ぽん!】
ぽんぽこ山本さん
Aさんことspaticaさんと交流するようになったのは、山本さんの後輩ということをうかがったのがきっかけでした。目立ちにくい通好みの虫を見つけだす人物は、そうそういるものではありません。おそらく山本さん仕込みと期待してお誘いしたのですが、期待どおりの逸材で、感心しながらの毎日でした。
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