ze_phの父Celastrinaです。
この時期、本来であれば青森はオオルリシジミの季節なので、久しぶりに書き込ませていただきます。
北日本のオオルリシジミは、青森・岩手の両県に局所的に生息していましたが、岩手では1970年代前半に絶滅し、青森でも1979年に岩木山の東麓で目撃された1♀を最後に記録が途絶えました。
北日本最後の記録から28年。久々に岩木山東麓の草原地帯を歩いてみました。
岩木山東麓の広大な草原地帯。見事な環境に見えるが、戦後の高度成長期には裸地化された場所だという。 (2007年6月8日)
オオルリシジミの食餌植物クララ。食害されることなく繁茂している。(同上)
オオルリシジミの記録が途絶えた1980年代、多くの同好者が何度も何度も岩木山麓を調べ歩きました。いくら探してもオオルリシジミは見つかりませんでしたが、当時はおびただしい数のギンイチモンジセセリが乱舞。そのギンイチモンジセセリですら、2000年代の岩木山では見当たりません。ギンイチモンジセセリもまた、オオルリシジミやチャマダラセセリと同じ運命を辿っているような気がします。
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Commented by 蝶山人 at 2007/06/13 07:03
食草が保全されているのに
蝶が消える理由が判りません。
長野県東御市のように
再導入して生き続ける種なのでしょうか?
蝶山人さん
クララそのものは、今も昔も変わりなく繁茂しています。
このため青森におけるオオルリシジミの絶滅は、単なる食草の増減ではないでしょう。
草原環境そのものの微妙な変化もあったでしょうし、1960年代にこの地域で多用されつつも毒性が強すぎるために使用禁止になった農薬ホリドールの影響が大きいのではないかと思っています。
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ダンダラ at 2007/06/13 15:13
レイチェル・カーソンの沈黙の春のようなお話しですね。
草原性蝶の減少を考える時にも、単に目の前の現象だけに目を奪われてはいけないということでしょうか。
Commented by maeda at 2007/06/13 20:48
広島郊外にもかつては生息していたという場所があります。
確かにクララは沢山ありました。
微妙な環境変化や農薬などの影響があるのかもしれません。
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spatica at 2007/06/13 22:27
私の済んでいるところの近くにもかつてはオオルリシジミの多産地があったそうですが、今ではゴルフ場になっているそうです。
私が生まれた頃には絶滅していたそうなので、前はいたんだよと言われてもピンと来ないところがありますね。
考えさせられる話題です。
Commented by
nomusan at 2007/06/13 22:57
クララは変わらずにあるのにオオルリだけいない・・・。さらにはギンイチも・・・。
確かに農薬の影響かな?って思われますね。
一枚目の画像、ダンダラさんの書かれているように「沈黙の春」ってこんなイメージなのかなって思ってしまいますね・・・。
ダンダラさん
青森の場合、見た目の環境は変わった感じがしないのに、オオルリシジミやギンイチモンジセセリは減少し続けました。ゴマシジミは健在なんですが・・・・
maedaさん
広島って・・・・もともとオオルリシジミが分布しないはずですが・・・・
spaticaさん
ゴルフ場による生息環境の消失は深刻ですね。
さすがに最近は不景気で、つぶれるゴルフ場はあっても、新しいゴルフ場を作るという話はなくなりましたが・・・・・
nomusanさん
まさかギンイチモンジセセリまでもが危機的な状況を迎えるとは思っていませんでした。食草のススキはいくらでもあるのに、多産した1980年代以降まったく環境改変のない場所ですらみつからないのです。いったい草原の蝶たちに何が起こっているのでしょう。
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