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ベトナムにて車壊れる
 ベトナム旅行初日、出発早々に車が壊れて、見知らぬ街で数時間立ち往生しましたよ。ざっと纏めてしまうと、今回はそんなお話。
 最大都市ホーチミン(南部)から首都ハノイ(北部)までを結ぶベトナム国道1号線。結構な数の自動車と信じられないほど大量のバイクが絶え間なく行き交うベトナム最大の道路交通です。早朝5時にホーチミンのホテルを出発し、一行は前途洋洋、国道1号線を進みました。最初の目的地はThac Mai。去年、ハナカマキリを沢山見つけたポイントです。
 ホーチミンから離れて国道も少し空いてきたかなというところ、何やら運転手さんの様子がおかしい。苦笑いしながら、僕たちに何か伝えようとしている(でもベトナム語だから全く分からない)。そういえば車の様子はもっとおかしい。遅い。ていうか全然前に進んでなくない? あ、原チャに抜かされた。なるほど。車が故障したんですね。参ったな。



国道1号線とジンガサハムシの一種 ― 2010年12月25日 Bien Hoa, Dong Nai, VIETNAM

 車屋さんで診てもらったものの簡単には直らないらしく、代車が来るまで待つこととなりました。勿論、立ち寄る予定なんか無い知らない場所。あとになってから調べたことですが、どうやらビエンホアという街のようでした。
 黙っていても仕方が無い、というかひたすら暑いだけなので、とりあえず道路脇を散策してみることに。Spaticaさんは早速大型のジンガサハムシの仲間を見つけていました。また、その周りでは南ベトナムの最普通種ヒメシルビアシジミ Zizina otis が沢山飛んでいて、その中にヤマトシジミ Zizeeria maha も少数ながら紛れていました。こういう時、いくら普通種とは言え普段見られないヒメシルビアでなく、腐るほど見たことのあるヤマトシジミを優先的に追い掛けてしまうのは、どうしてなんですかね。でも南ベトナムでヤマトシジミに会うのは初めてでした。ちょっとだけ嬉しい。
 人目を気にしつつ地面にかがんで一通り撮影、したのですが、しかしそこはさすが国道1号線。ホーチミンからだいぶ離れているとは言え相当な交通量です。僕が撮影しているそのすぐ隣を、何台ものバイクが駆け抜けていきます。結構怖い。


ヒメシルビアシジミ♀ Zizina otis ― 2010年12月25日 Bien Hoa, Dong Nai, VIETNAM


ヤマトシジミ♂ Zizeeria maha ― 2010年12月25日 Bien Hoa, Dong Nai, VIETNAM

 国道沿いで腹ばいになり茂みに頭を突っ込んでいる日本人の姿は、ベトナムの人の目に異様に映ったようで(そりゃそうだ)、よく話しかけられました。「日本ノ人デスカ? 私コノ前マデ日本デ勉強シテイマシタ!」と爽やかに日本語トークを仕掛けてきた好青年(真面目な表情のまま「女持ッテマスカ?」と聞いてきたこともあったけれど何をどう間違ったのだろう。)から、好意的に見守ってくれている(と僕が勝手に判断した)寡黙なおじさま・お兄さま、家の庭からリンゴドクガの仲間の幼虫を持ってきてくれた近所のお姉さん(美人だったような気がする)まで。お姉さんは何やら沢山喋っていましたが、ベトナム語なのでさっぱり分かりませんでした。「これを触ったら痒くなる」的な話をしているのだと、フィーリングだけで強引に納得しました。
 その間も、カバマダラ Danaus chrysippus が飛んできたり、エリルスフタオルリシジミ Hypolycaena erylus のメスが降ってきたり。しょうもない道端というか国道沿いなのに、曲がりなりながらも虫を楽しめてしまう辺りはさすが東南アジアという感じ。


カバマダラ Danaus chrysippus ― 2010年12月25日 Bien Hoa, Dong Nai, VIETNAM


エリルスフタオルリシジミ♀ Hypolycaena erylus ― 2010年12月25日 Bien Hoa, Dong Nai, VIETNAM 父撮影

 しばらくして代車が到着し、いよいよ一同 Thac Mai へ。結局、2時間半くらい待ちました。この後の Thac Mai はまさかと思うほど虫が少なく、再び唖然とするのですが、誰もまだそのことを知りません。

 (この形式は面倒だから)多分続かない。
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