セスジスカシバはオスを見つけるのが難しいスカシバガです。性フェロモン成分が不明で、また、訪花しないこともそうなのですが、何より、日没直後の人間の眼の利かない時間帯に配偶行動をとることが、その最大の原因なのではないかと思います。明るい時間帯(今までに見たのは全て夕方4時以降)にも、上空高くを物凄い速さで飛ぶセスジスカシバのオスらしき影を見かけることがありますが、そういう状態のものは手も足も出ません。
さて、そんなタチの悪いセスジスカシバのオスを撮影したトリックなのですが、実はすぐ近くに未交尾のメスを忍ばせ、コーリングさせています。ファーブルも使った古典的な手法ですが、なかなか有効です。こうすると、日が沈み手元もよく確認できないほどの暗がりの中、セスジスカシバのオスが集まってきます。それにしても、昼行性と表現するにはあまりに抵抗のある生態です。
スズメバチに擬態した昼行性のガでありながら、日没後に探雌する― 2009年09月06日 青森県黒石市
2009年09月05日 青森県深浦町
2009年09月05日 青森県深浦町