[2010.04.30追記: 丸山さんによると、画像のケアリは、トビイロケアリではなくハヤシケアリっぽいとのこと。]
1人で梵珠山に入ってスカシバガのフェロモントラップをかけていると、偶然トビイロケアリの巣が目に入りました。ただ、その巣の様子がちょっと変で、巣の出入り口から黒くて大きなアリらしき昆虫の後脚(明らかにトビイロケアリでない)がはみ出ています。
気になったので巣を少し壊して内部を見てみると、そこにはクサアリモドキの女王がいました。
確かアリには別種のアリに社会寄生する種が結構あったはずだから、これもその類かな・・・などと思い、帰ってから調べてみると、クサアリモドキを始めクサアリ亜属のアリは他のアリの巣に入り込んで社会寄生するということが分かりました。さらに、クサアリモドキはトビイロケアリに社会寄生するらしく、どうやら予想は当たっていたようです。
ところで、クサアリモドキの女王が、トビイロケアリの働きアリたちから執拗な攻撃を受けていたのですが、これは侵入者だということがバレて(?)寄生に失敗してしまったということなのでしょうか。僕が巣を壊して働きアリを興奮させてしまったせいだったりして・・・
▲トビイロケアリの巣内で見つけたクサアリモドキの女王。クサアリモドキはトビイロケアリに社会寄生することが知られている。しかし、クサアリモドキの女王はトビイロケアリの働きアリから執拗な攻撃を受けていた。 (2008年09月05日 青森県梵珠山 Nikon D200, 150mm)
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Commented by maruyama at 2008/09/07 15:11
ごく稀に見つかる貴重な光景だと思います。侵入に成功した女王は何度か見たことがありますが。
また、クサアリ亜属のアリは一般に巣の密度が低いので(よく見かける場所でも、巣の数自体は非常に少ない)、寄生に成功する確率はごく低いものと考えてよいと思います。
Commented by 名無し at 2008/09/07 15:34
社会寄生とは初めて知りました。面白いですね。
Commented by
ze_ph at 2008/09/11 03:17
maruyamaさん
確かに言われてみれば、クサアリの巣は意外なくらい数を見ていないような気がします。
こういうのって、寄生相手の巣を見つけることが出来さえすれば、それ以降の成功率はそれなりに高いものだとばかり思っていたのですが、そうでも無いのですね。
Commented by
ze_ph at 2008/09/11 03:20
名無しさん
アリ自体もそうですし、アリと共生する昆虫、アリに寄生する昆虫、アリに擬態する昆虫など、アリと関係する昆虫には生態や形態が特殊なものが多く、面白いです。
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