ヤブガラシの咲いている斜面で
アオスジアゲハを待っていると、たまにアオスジアゲハに混じってクロアゲハが飛んでくることがありました。
クロアゲハも、ヤマトシジミやアオスジアゲハと同様(ここにアオスジアゲハを入れていいのかどうかは少し疑問も残りますが)、もともと青森県には分布していていませんでした。しかし、温暖化の影響からか、比較的最近になって青森県まで分布を広げてきました。
今ではクロアゲハは、深浦で最も普通に見られるアゲハだと言えるほどに繁栄しています。
▲ヤブガラシで吸蜜するクロアゲハ (8月22日 青森県深浦町 PENTAX *ist DS2,70-300mm)
この記事のトラックバックURL
http://ze-ph.sakura.ne.jp/zeph-blog/tb.php?130
Commented by kk at 2007/12/22 15:34
クロアゲハもアオスジアゲハもヤマトシジミもいずれブラキストン線を越えてくるのでしょうか?人為的な移植ですがカブトムシはすっかり北海道に定着してしまいました。それに引き替え不思議なことにヒメアカタテハやイチモンジセセリは依然として北海道に定着しません。なぜなのでしょうか?
Commented by
ze_ph at 2007/12/22 16:28
kkさん
現状ではまだ難しいかもしれませんが、暖冬がこのまま何年も続くようだと、それらの種が今以上に分布を広げ、ブラキストン線を超える可能性も無いとは言えないと思います。
ただ、アオスジアゲハの場合は食樹が無いですし、ヤマトシジミは飛翔力の問題で津軽海峡を越えることが出来るかどうか疑問です。(人為的移入の可能性を言及するのであれば、ヤマトシジミもそれなりに可能性があるとは思いますけれど。)
そういうわけで一番可能性があるのは、その3種の中ではクロアゲハと思います。ただ、クロアゲハは青森県内でも深浦地域を除いてはそれほど繁栄できているわけではなく(記録がないわけではないのですが)、今後北上するとしても、まだかなりの時間を要すると考えられます。
それから、カブトムシの話ですが、カブトムシはもともと青森県全域に分布していたことを考えても、気候的な限定で北海道に分布していなかったのではなく、ただ単に津軽海峡が北海道への進入を阻んでいたものと思われます。そこへ人為的な移入に加え、気候の温暖化が進んだのですから、定着するのも当然といえば当然のことと思います。
また、ヒメアカタテハやイチモンジセセリは、たしかに青森では毎年普通に見られますが、青森で越冬しているとは考えていません。どちらも渡りをする蝶なので、南のどこかで越冬した個体群が、毎年北上してきて夏から秋にかけて繁殖しては、冬になると全滅する、といったことを繰り返しているのではないかと思っています。
ただ、最近ヒメギフの時期に新鮮なヒメアカタテハを見るようなこともあって、それらの個体が飛来したものなのか、青森での越冬に成功した個体なのか、気になることはあります。(温暖化・都市化の影響で越冬可能ライン自体は北上していると考えられるので、早い時期からの飛来も不思議ではなく、現実的には前者の可能性の方が高いように思います。)
Commented by maeda at 2007/12/22 18:21
見られる種が増えるのは悪くないですが、複雑ですね。
本当にどうにか対策を立てないと、昆虫や植物でなく動物、そして私たちの生存にも関わる問題です。
数年後には北海道が米所になるらしいですし。
コメントする