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青森のアオスジアゲハ 卵〜蛹
前回の記事でも少し書きましたが、青森県深浦町でアオスジアゲハの幼生期全ステージが見つかり、発生が確認されました。
今回は、その幼生期の写真を中心に掲載したいと思います。

ところで、8月下旬に多数の蛹が見つかったのですが、それらは全て9月に入ると羽化してしまいました。(=つまり、非休眠蛹だった。)
今年の深浦では6月中旬に青森市のTさん(アオスジアゲハ発生確認へと導いた最大功労者)が1化目の成虫をみつけている点や、8月中旬に確認された2化目の成虫多数がいずれも著しい汚損個体ばかりだったことを考えると、9月の世代は3化目であった可能性が高いように思います。
ちなみに、東北地方のアオスジアゲハは一般に年2化(5〜6月、7〜8月)と考えられているようです。・・・となると、

1.今回見つかったものは、ものすごく遅れて発生した2化目だった
2.調査不足なだけであって、他の東北地方の産地でも実際は3化している
3.今回の発生地(深浦町)は緯度が高いため、日長時間の関係で、2化目の成虫が早い時期に産卵した卵はその後成長しても休眠できない。(蝶は多くの種が日長時間の長さで休眠/非休眠を決定している。)

・・・などなど、色々な仮説がたてられると思うのですが、これ以上書くと、長く、そして堅苦しくなってしまいそうなので、今日はこの辺で。


▲タブノキの新芽に産卵しようとするアオスジアゲハ (8月22日 深浦町 PENTAX *ist DS2, 14mm + x1.5)


▲産卵は新芽ばかりに集中するが、この時期は新芽自体あまり出ていないため、1つの新芽に多数の卵が産みつけらる。 (8月15日 深浦町 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲中齢幼虫 (8月15日 深浦町 PENTAX *ist DS, 105mm)


▲終齢幼虫 (8月22日 深浦町 PENTAX *ist DS, 17-70mm)


▲前蛹 (8月22日 深浦町 PENTAX *ist DS, 17-70mm)


▲蛹 (8月22日 深浦町 PENTAX *ist DS, 17-70mm)


▲蛹の羽化殻。この時期に羽化しているということは、3化目である可能性が高いのだけれど・・・。 (9月1日 深浦町 PENTAX *ist DS, 17-70mm)
青森県でアオスジアゲハが発生
今年一番のニュースです!
実は今年、青森県深浦町でアオスジアゲハが多数見つかっています。
卵〜蛹、そして蛹の羽化殻まで、幼生期全ステージが同地で確認され、発生していたことも間違いありません。
これは青森県で初めてのアオスジアゲハの発生記録であると同時に、世界最北の発生記録となります。(ちなみに、従来の発生北限は秋田県南西部の由利本庄市親川で、今回みつかった場所よりも100kmほど南にあります。)
来年以降も発生を続けヤマトシジミやクロアゲハに引き続き土着してしまうのか、それとも、今年の冬に絶えて姿を消すのか、今後の動向が興味深いところです。
詳しいことは、また別の機会に。


▲青森県深浦町を飛ぶアオスジアゲハ。分布北限は秋田県南西部だったはずが・・・? (8月25日 深浦町 PENTAX *ist DS, 17-70mm)
ゴマシジミの幼虫を運ぶクシケアリ
いきなりタイトルとは全く関係ない話になってしまいますが、先程我が家に「世界のゼフィルス大図鑑」が届きました。9月20日頃刊行とされているので、入手なさっている方はまだあまりいないと思います。
で、内容ですが、今までこれほど面白い図鑑を読んだことがない!と断言できるモノです。(まだ軽く目を通しただけなのですけれど。)「おーっ」と思うinterestingな面白さもあれば、「ぷっ」と吹き出してしまうfunnyな面白さもあります。特に解説編の「備考欄」が凄くて、「(ホロタイプ・パラタイプ標本がちゃんと残されていないことから、)こんな人間は新種記載をすべきでない」とか「(標準図鑑の誤植問題を受けて、)その責任は誰がとるのか」とか「(パラタイプと思しき標本の写真を載せて、)この標本に見覚えのある方はご一報ください」とか、今までの図鑑では有り得なかった、本音の文章が書かれています。まさに、『生きている図鑑』であり『戦う図鑑』である、との歌い文句そのものの内容でした。もちろん、幼生期等の情報も充実していて、図鑑としての完成度自体も素晴らしいです。

さて、話が変わっても、まだタイトルと関係のない話が続きます。
読者の方にはご存知の方が多いとは思いますが、9月23日に大手町サンケイプラザで「東京インセクトフェア」が開催されます。なので、そのインセクトフェアに参加するため、明日(というかもう今日か)、東京へ発ちます。
フェア会場には親子2人ともいるはずなので、機会があれば声をかけていただけると喜びます。

そしてやっとタイトルの件ですが、文章が長くなってしまったので画像解説だけにさせていただきます・・・。(というか、朝一番の飛行機で発つことになっているので、もう寝たいのです。)
・・・と、タイトルと文章が全く関係ない記事が出来上がりましたとさ。(めでたし、めでたし)


▲ゴマシジミの幼虫がナガボノシロワレモコウの花穂から出て、クシケアリによって巣へ運ばれていくところ。 (9月16日 飼育下 PENTAX *ist DS, 105mm)
ゴマシジミの羽化
お久しぶりです。つい先日まで入院していました。今年に入ってから3度目なのですが、もう病院は懲り懲りです。半月も更新がなかったにも関わらず、毎日沢山のアクセスありがとうございました。しばらくは入院前に撮影した少し時期外れな写真が続きますが、ご容赦ください。

さて、そろそろ本題に(苦笑)。8月19日に岩木山で見つけたゴマシジミの蛹が羽化しました。(勿論、かなり前の話です。)



▲羽化直前で蛹殻が剥離し、全体が黄色くなったゴマシジミの蛹 (8月29日 飼育下 PENTAX *ist DS2, 105mm)


▲羽化直後、翅を伸ばす場所を探して歩き回る。この時点では脚が毛深く、アリからの攻撃をかわすためと思われる。 (8月29日 飼育下 PENTAX *ist DS2, 105mm)


▲一ヶ所にとどまって、翅を伸ばし始めた (8月29日 飼育下 PENTAX *ist DS2, 105mm)


▲羽化後約10分。翅は既にほぼ伸びきっている。 (8月29日 飼育下 PENTAX *ist DS2, 105mm)
ハヤブサ
今日は椿山の山頂へ行ってみました。椿山は山とは言ったものの、陸繋がりのごくごく小さな島みたいなもので、10分もあれば登り切ることができます。ちなみに、山頂は足場の狭い3〜4畳くらい(?)の岩場で、4方向とまではいきませんが3方向がまぁ落ちたら即死だろうなってレベルの高さの崖になっています。
山頂付近まで行けば何か蝶は飛んでいるだろう、あわよくばアサギマダラなんかも・・・・なんて甘い考えを抱いていたのですが、現実はそんなに甘くありません。アサギマダラどころか黒いアゲハすら1匹も飛んでおらず、ルリシジミが数頭ちらちら見えるのとキアゲハが1頭手の届かないようなところを飛んでいるだけでした。
ただ、代わりに何やら格好良い猛禽類が、隣の岩にこちらを向いてとまっていました。
レンズを持っている中では最も望遠寄りな70-300mmに付け替え、それでもちょっと焦点距離が足りないなぁと感じながらも、撮影を開始。しばらく撮影していると、こちら側の気配を察したのか、今度は飛んで辺りを鳴きながら旋回し始めました。ただでさえアブナイ場所なので、ファインダーを覗いて足場の確認なしに鳥を追いかけまわすのは今思うと危険だなぁと思うのですが、目の前に被写体がいると何とも思わずにやってしまえるから不思議です。(父には後から竜飛のゴマシジミの時以上に危険だとどやされました・・・。)
家に帰ってから種名を調べてみると、どうやらハヤブサのようです。名前は聞いたことのある鳥ですが、こんな環境に生息している鳥だとは知りませんでした。


▲ハヤブサ。有名な鳥なので名前は知っていたけれど、海岸の断崖絶壁に生息する鳥だとは知らなかった。(9月1日 青森県深浦町 PENTAX *ist DS, 70-300mm)


▲ハヤブサ(9月1日 青森県深浦町 PENTAX *ist DS, 70-300mm)


▲鳴き声をあげながら、辺りを旋回した。(9月1日 青森県深浦町 PENTAX *ist DS, 70-300mm)
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