会長挨拶

第15回日本高齢消化器病学会会長
弘前大学医学部保健学科病因・病態検査学

中村 光男

ご挨拶

この度、第15回日本高齢消化器病学会の会長を拝命し、平成24年6月16日(土)に、青森県弘前市のホテルニューキャッスルに於いて開催する予定であります。ご推挙くださいました関係各位に心から御礼申し上げますとともに、これまで我が国の消化器病学をリードしてこられた諸先生方のご尽力により発展してきた本学会を主催させて頂くことを、誠に光栄に存じております。

本学会は、当時藤田保健衛生大学第2病院内科教授の中澤三郎先生を代表世話人とし、日本消化器病学会名誉理事長の竹本忠良先生を顧問に迎え、平成10年に日本高齢消化器医学会議として発足しました。平成11年1月に、第1回日本高齢消化器医学会議が、現在本学会理事長で当時日本大学医学部第三内科教授の荒川泰行先生を会長として開催されました。平成18年1月に、本学会理事で現在日本消化器病学会理事長である自治医科大学消化器内科教授の菅野健太郎先生を会長として開催された第8回日本高齢消化器病学会からは、名称を高齢消化器病学会と改め、さらに活動を発展させておりました。諸先生方のご尽力により、平成22年7月に特定非営利活動法人日本高齢消化器病学会として認証され、設立14年を迎え学術集会として年々参加者も増え、充実した活動が展開されております。本学会が東北地方において開催されるのは今回が初めてのことであり、折しも東日本大震災からの復興へと進むなか、本学会を当地で開催することも、意義深いものと考えております。

近年、わが国の人口の高齢化は急速に進んでおり、消化器病の分野においても高齢者診療における多くの課題を抱えております。しかし、高齢者における消化器病診療に関して、特に非高齢者と区別して系統的に論じられる機会は、本学会を除けば未だ少数に限られているのが現状です。その中でも、本学会はこれまで高齢消化器病に関する多くの発表及び討論がなされ、本分野の発展に大きく貢献してまいりました。今回も、是非とも多くの先生方にご参加いただき、本分野に関する最新の話題を学ぶ機会を提供できる場となれば、望外の喜びであります。

本学会でも、今後の高齢消化器病診療の発展に役立つよう、プログラムを立案させていただきました。多数の演題のご応募とご参加を、心よりお待ちしております。高齢消化器病という分野は、高齢者診療および消化器病診療はもちろんのこと、近年、糖尿病をはじめとした生活習慣病、病態栄養、感染症などの臨床および研究に幅広く関連した考えが必要とされております。消化器疾患はもちろんのこと、高齢者診療に関連する様々な討論がなされるよう、願っております。さらに、本分野の最近の話題に関して、第一線の先生方にご講演をお願いしております。特に本分野の研究及び診療に従事する若い先生方に積極的にご参加いただき、今後のご活動の礎となる知識とエネルギーを吸収していただければと考えています。

最後に、本学会が会員の皆様にとって実りあるものになりますよう、鋭意準備を進めておりますので、初夏の津軽に是非足をお運びいただき、充実した時間を過ごして頂ければ幸いに存じます。