食餌植物:カラスウリ・キカラスウリ(ウリ科)
本州・四国・九州・対馬・南西諸島(屋久島・石垣島)
シタキモモブトスカシバ M. inoueiに似るが、前翅中室端紋の形状などで区別できる(詳細はシタキモモブトスカシバの項を参照)。また、シタキモモブトスカシバと比べて体色・体格に性差が大きい。本種は南方系で、東北地方における確実な記録はない。宮城県に古い記録がいくつかあるものの、いずれもシタキモモブトスカシバが記載される以前のものであり、宮城県蛾類目録(柳田ら, 2009)ではシタキモモブトスカシバに訂正されている。2種の混生地域では概ね本種の方が多く、シタキモモブトスカシバはやや珍しい。
幼虫はカラスウリ類の蔓の根元近くに侵入し、時に群れて巨大な虫エイを形成する。秋になると地面に下り、土繭を作る。土繭中で幼虫態越冬した後、翌夏に蛹化・羽化する。年1化。
本州〜屋久島の個体群は ssp. nipponica Arita & Yata, 1987 とされ、石垣島と対馬の個体群は中国上海を基産地とする名義タイプ亜種 ssp. sangaica Moore, 1872 に分類されている。