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わが家で今もっとも熱いチョウの1つが、マネシヒカゲ属(Elymnias)のチョウです。
今回の写真はそのElymnias属の一種である、ルリモンジャノメです。 ルリモンジャノメはElymnias属で一番の普通種として知られていますが、それはルリモンジャノメが多いというよりも、ルリモンジャノメ以外の種が軒並み珍しすぎるということなのだそうです。 Elymnias属の魅力は、地味なはずのジャノメチョウが派手な毒蝶(ルリマダラ属[Euploea])に擬態しているという意外性と、翅裏はジャノメらしく地味なままになっているという逆の意味での意外性との2点に尽きると思います。(オオゴマダラマネシヒカゲは裏面も模倣擬態しているので例外) 不完全な模倣擬態でも、静止時に翅を開かないジャノメチョウには十分。翅裏だって下手な模倣擬態をするよりも、ジャノメとして元来基礎が完成されている隠蔽型擬態を採用した方が効率がいい。このように考えると、なかなか理に叶っていて感心してしまいます。 ▲ルリモンジャノメ ▲参考用の標本写真(ビリトン島では雌雄ともに左側のタイプしか出ない) ▲ルリモンジャノメ撮影中の1コマ。デジカメの物珍しさに集まってきたらしい。 ▲ビリトン島の市場。日本のペットショップでよく見られる魚ばかり。あまり食べる気にはなれない。 ちなみに、市場の写真の中で並べられている魚は、ワヌケヤッコ(沢山並べられている青線の入った茶色い魚)、ロクセンヤッコ(多数並べられている地味な魚)、ハタタテダイ(左側の白と黒と黄色の魚)、ツキチョウチョウウオ(左から2番目の黄色い魚)、シテンヤッコ(左から3番目の黄色い魚)、タテジマキンチャクダイ(人が手に持っている魚)です。 by ze_ph | 2006-02-01 23:12 | Comments(2)
この蝶、どれほどルリマダラに似ているんだろう?と期待して出会ったのですが、ひどく擬態が下手糞でがっかりした思い出があります。昼間は飛翔時間が短く、飛翔写真で表の瑠璃色を撮影しようという試みも見事に裏切られました。ze_phさん(もしくは、お父様)、是非飛翔写真にチャレンジされて、素敵な写真をアップしてくださいネ!それはそうと、ビリトン島はスジグロカバマダラの分布の空白域なので、スジカバ型♀も見つからないのでしょうか? Commented by ze_ph at 2006-02-02 23:48 どんより曇っていたせいか結構長く飛び続け、飛翔する姿もルリマダラに近いものがあったと父は言っています。それがルリマダラやElymniasを見慣れていないからなのか、天気によって活発さが異なるからなのかどうかは分かりませんが・・・。
仰るとおり、スジカバ型がいないのはスジカバが分布しないせいである可能性が高いと思います。しかし、スジカバの分布するマレーシア南部などでもルリマダラ型の♀しか出ない亜種があることを考えると、原因が何なのか断言は出来ません。
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