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▲ダケカンバの樹液を吸汁しているキベリタテハ(息子撮影) キベリタテハが撮りたくなって、2年ぶりに八甲田山へ行きました。 八甲田山といえば、雪中行軍遭難事件(1902年に日本陸軍の行軍部隊210名のうちの199名が彷徨の果てに凍死した事件で、映画化もされました)があまりにも有名で、暗く厳しい山という印象があるかもしれません。でも蝶が好きな者にとっては、確実にキベリタテハに出会うことができる魅力的な場所です 撮影地には、北八甲田の標高約900mに位置する地獄沼周辺を選びました。この沼は八甲田火山時代の爆裂火口湖で、今もブクブクと噴気活動を続けています。沼のすぐそばの露岩地は「賽の河原」と呼ばれる霊場で、キベリタテハは硫黄臭が鼻を突くこの場所に好んで飛来するのです。 ▲ときおり腹部を立てて勢い良く排泄液を飛ばす(息子撮影) ▲樹液を訪れたスズメバチに追い払われ、付近のダケカンバ葉上に 舞い降りたキベリタテハ(上の2点と同じ個体)。周囲にはブナやナナカ マドもあるというのに、明らかにダケカンバにばかりとまろうとする。 ▲賽の河原。いたるところに見える湯気は、地面の流気孔から吹き出した噴気で、きつい硫黄臭が鼻を突く。キベリタテハは周囲のダケカンバ林で発生し、この露岩地へ飛来する。 ▲硫黄の影響なのか、周囲に生えた灰青色の地衣類が印象的(息子撮影) ▲天然石から造られた観音像(かなり風化している)の前を舞うキベリタテハ。霊場の蝶ならではの神々しさが感じられる(息子撮影) ▲翅を閉じた時のザラザラ感は、石の質感に似て見える(息子撮影) ▲高山植物に囲まれた石の上での日光浴(息子撮影) ▲日光浴中のキベリタテハ(息子撮影) by ze_ph | 2006-09-04 22:31 | Comments(5)
Commented by 蝶山人 at 2006-09-05 08:29 x 小豆色に露出合わせると青と黄色が飛び、青と黄色を出すと小豆色が黒い。難しい露出の蝶ですね?一箇所に多産することが少ないのは産卵習性でしょうか? この蝶を採る頃はシーズン終わりってことですね?冬の間ze_phさん受験勉強頑張って下さい。冬は気分転換出来なくて残念ですが、一層春の喜びは大きいでしょう。蔭ながら応援しています。 Commented by ふう at 2006-09-06 05:33 x あの後一時間ばかり探しましたず一頭たりとも。 帰路銅像にも立ち寄りましたが、同じ結果に終わりました。 火箱沢林道入口の温度計が16℃、日陰とは言え他も大差がなかったのではと。 今日も天候次第では行って見ようかなと思っています。 Commented by Celastrina at 2006-09-06 07:26 x 蝶山人さん 以前の青森だと、キベリが終わればシーズン終了という感じでしたが、最近は温暖化による北上種が9-10月に楽しめます。ヤマトシジミの斑紋異常が出現するかどうかが一番気になるのですが・・・ Commented by Celastrina at 2006-09-06 07:29 x ふうさん きのうの悪天候のなか、16℃の気温でキベリタテハを探すのは厳しすぎましたね。今日は晴れそうなので、きっと撮影できますよ。 Commented by 蝶山人 at 2006-09-06 16:08 x ヤマトシジミ異常型の特集ページ初めて見た時は息を呑みました。本当に興味深いですね?先日の第三世代安定とのことでしたので、第四化続報を楽しみにしています。Celastrina様にスイッチしてコメントもより科学的になりましたが、いつも楽しみにしています。勉強の合間、息子ze_phさんの写真の腕ますますの冴え渡りも将来が楽しみです。
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