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▲訪花中のツマジロウラジャノメ♀(息子撮影) ツマジロウラジャノメはロッククライミングの対象になるような断崖を生息地とする特殊な蝶で、青森では東南部地方(五戸町・倉石村・新郷村・南部町・田子町・八戸市)や八甲田山西部(青森市)・白神山地などに記録がありました。しかしながら、東南部地方や八甲田山では30年以上も記録が途絶え、今世紀に入ってからは世界遺産として知られる白神山地でしか確認されていないとのこと。このため2006年に改訂された青森県版レッドリストでは、Aランク(最重要希少野生生物)に選定されています。 青森ではかくも稀な存在なので、「ツマジロの撮影なんて夢」という気持ちがあったのですが、せめて崖のうえ高くを舞う光景を見上げるだけでも良いという気持ちで8/19・20の2日間、白神山地を探し歩きました。でも、さすがにツマジロは敷居が高く、2日とも成虫は空振り。せめてもの救いは、食痕のあるヒメノガリヤスの周囲から羽化後まもない蛹殻と寄生による黄変蛹が各1個みつかったことでした。 羽化殻があるのなら時期的には問題がないと考えて、8/22・8/24・8/26と通い続けたところ、苦労の甲斐あって8/26の午後に1♀を発見。ただし、かなりな汚損個体です。 しかたがないので、8/27はより山深い環境に入りました。この日は、受験勉強から息抜きしたいと言って久々に息子が同行したのですが・・・・・何日も苦渋をかんできた父親を横目に、息子がちゃっかりと訪花中の新鮮なツマジロを撮ってしまいました。やれやれ・・・・・・ ▲8月20日にみつけたツマジロウラジャノメの蛹殻 ▲寄生によって黄変したツマジロウラジャノメ蛹 by ze_ph | 2006-09-01 23:51 | Comments(8)
Commented by fanseab at 2006-09-02 19:33 キク花弁の白、ツマジロ前翅の白、そして縁毛の白。白が 画像の主役で素敵です。とりわけバックを上手くボカして、 縁毛の白さが際立っています。 2枚目は羽化後の体液が蛹殻に残っていることから、羽化直後と判断 されたのでしょうか? Commented by Celastrina at 2006-09-02 20:17 x fanseabさん 青森のツマジロは何年間も良い写真が撮れなくて悩んでいただけに、本当にホッとしました。それにしても、新鮮な個体をみつけて確実に撮ってしまうze_phには脱帽です。 それから蛹殻ですが、さすが鋭いですね。ご指摘どおり、撮影時は羽化液の状態でまず判断しました。さらに撮影後、直接蛹殻そのものを手にとって殻の硬さや羽化液の乾き加減なども見ています。印象としては、当日(8/20)の午前羽化という感じでして、発見したのは午後3時ころなので「直後」というわけではないかもしれません。この辺の表現は難しいですね。 Commented by cactuss at 2006-09-03 17:49 ツマジロの写真はすばらしい。蝶には全体にピントが合っていて、背景がボケている。しかも、ツマジロの質感が良く出ている。この蝶をここまでうまく撮影するのは至難の業だと思います。 毎回唸ってしまうような素晴らしい写真で楽しみに拝見していますが、今回のツマジロは特に見事ですね。質感やコントラストなどこの蝶の魅力を余す所なく表現出来ていると思います。 Commented by krsmusi at 2006-09-04 22:15 息子さんの笑顔が浮かんできました。 また、これで、受験勉強に身が入りますねえ。よかった。 Commented by Celastrina at 2006-09-05 00:32 x cactussさん furuさん krsmusiさん いつもありがとうございます。今回のツマジロで息子は調子に乗ってしまい、翌週はキベリタテハを撮りに八甲田へ行きたいと言いました。結果は昨晩(9/4)更新のblogに掲載しましたが、受験があるのに好きにさせ過ぎたような気もします。 Commented by th0031 at 2006-09-10 21:01 お邪魔します。白神山地からたどり着きました。 いい写真ですね!GOODです! 白神とか八甲田とか行ってみたい・・ お邪魔しました。TBさせていただきました。 Commented by Celastrina at 2006-09-11 01:10 x th0031さん
はじめまして。白神山地・八甲田山・岩木山。どの地域も、蝶を見る者にとってはとても魅力的です。景色を楽しむだけでなく、草花を楽しんだり蝶を楽しんだり・・・・・・。機会があったら、ぜひいらしてみて下さい。
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