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▲求愛のためにメスを追飛するオス。翅表斑紋の雌雄差がよく分かる。(息子撮影) ze_phこと息子が深夜にインターネットでバスの時刻表を調べていたので怪しいと思ったら、翌朝ひとりでゴマシジミを撮りに岩木山へ行きました。受験勉強に打ち込むと言ってblogを私に丸投げしたというのに・・・・・ ということで、撮ってきたのが今回の画像です。翅表が写し込まれた雌雄の追飛やシダ植物への誤産卵などを見せられて、思わず唸ってしまいました。 ▲ナガボノシロワレモコウにとまろうとするゴマシジミ♀(息子撮影) ▲誤ってシダ類に産卵。産卵植物でないことに気づかないようで、何度も産卵を繰り返したという。(息子撮影) ▲ナガボノシロワレモコウとゴマシジミ♀(息子撮影) ▲産卵しようとナガボノシロワレモコウにとまるゴマシジミ♀(息子撮影) ▲オオウラギンスジヒョウモン♀(息子撮影) ▲メスグロヒョウモンの求愛行動。絡まりあうようにして飛ぶ。(息子撮影) ▲トノサマバッタ♀(息子撮影) by ze_ph | 2006-08-10 22:08 | Comments(16)
Commented by fanseab at 2006-08-10 23:08 ze_phさんこと息子さんも、これだけの素晴らしい画像を撮影できれば十分、勉強の息抜きになったことでしょう。 ゴマのシダ類への産卵行動は初記録なんでしょうか?素人目には、ナガボノシロワレモコウの花穂と同一形態、同一サイズのものなら、他にも誤産卵行動を起こしそうです。それともシダ類には必ず蟻がいたのでしょうか?(3枚目の画像には蟻はいませんね) Commented by cactuss at 2006-08-10 23:37 息子さんもいい写真を撮りますね。 小生の愚息は中学生くらいからまったく、興味を示さなくなりました。 親と息子が同じ趣味を持つのはしあわせなことですよ。 Commented by Celastrina at 2006-08-11 06:38 x fanseabさん cactussさん 私はアナログカメラでリバーサルばかりをいじってきた古い虫屋なので動きのある写真は苦手なのですが、デジカメ世代の若者は難なく動きのある画像を撮ってきます。 ところで上から2枚目、ゴマシジミ♀がとまろうとしているナガボノシロワレモコウの花穂附近に数匹のアリが見えますが、ゴマシジミとは無関係のトビイロケアリ(ヤマアリ亜科 ; 甘露を好む)です。ゴマシジミが幼虫期後半に食べるクシケアリはフタフシアリ亜科(やや肉食性が強い)に属し、この時期にナガボノシロワレモコウの花穂で見かけることはほとんどありません。 クロシジミやキマダラルリツバメは孵化直後から共生アリの存在が必須なので、明らかに共生アリの存在を確認してから産卵しますが、ゴマシジミは幼虫期前半にナガボノシロワレモコウの花しか食べないので、産卵植物さえあればクシケアリのいないような場所でも産卵します。印象としてゴマシジミは、アリの有無にかかわらずとにかく多くの場所に産卵して、運のよい幼虫がクシケアリの巣に入るというというパターンなのだと思います。 とはいえ、シダ植物に産んだのでは孵化幼虫がかわいそうすぎますが・・・・ はじめまして。お父様が執筆されるようになってから、初めてコメントいたします。息子さんの言われたとおり、専門的なお話が出てきて、毎回、本を無料で読んでいるような、得をした気分で楽しませていただいています。 受験勉強の四角い一日をバッタのように飛び跳ねて過ごされたであろう息子さんの姿が見えて、思わずコメントいたしました。 ゴマシジミの生き生きとした姿に今回も感動いたしました。 Commented by 蝶山人 at 2006-08-11 13:21 x Celastrinaさま、私もリバーサル中判が長いので飛翔写真は撮ろうとも思いませんがゴマの開翅は飛翔写真しか撮れないのでは?ze_phさんのセンスに感動しました。それよりkenkenさんや有○棲のSさんblog/HPでオオゴマがカメバヒキオコシでなくアカソやクサコアカソに誤産卵してるように見えるショットあり如何思われます?混生していて見分け難しいですよね? ゴマの飛翔写真は毎年時間を見て狙っていますが,納得できる写真は未だに撮れていません。こうも簡単に撮影するとは・・・凄まじいセンスですね。脱帽です。 開翅写真は,やませが吹いて霧or霧雨状態で雲の隙間から日差しが刺すような時を狙えば,結構開いてくれますね。先週は1度その状態で翅を開いてくれたのですが,カメラを準備している間にまた飛んでしまい,ワンチャンスをものにはできませんでした。 Commented by Celastrina at 2006-08-11 20:34 x magさん 本当に息を抜き過ぎいう気はするのですが・・・・・まぁ、本人の好きにさせます。 ゴマシジミ♂♀の素晴らしい飛翔写真、目が覚める気がします。 本州最北端のゴマに憧れてしまいますね。 こちらも、そろそろゴマの季節ですので、興味をもって観察してみます。 多分、山梨のゴマとは色々生態に関して違うものと思います。 Commented by Celastrina at 2006-08-12 07:35 x 蝶山人さん ゆうざんさん オオゴマシジミは頻繁に翅を開くのに、ゴマシジミはゆうざんさんのおっしゃるような日照条件のときに稀に開く程度ですね。 当HPのゴマシジミPhotoページ(../../../photo/sijimi/31/index.html )には竜飛や岩木山で撮影したゴマシジミの開翅画像を載せていますが、いずれもどんより曇った早朝の薄日がさしたときに撮影したものです。とはいえ、その撮影チャンスさえ私には過去20年間で数回に過ぎないものでした。 それから蝶山人さんご指摘のオオゴマ産卵画像の件、私もアカソ類への誤産卵かと思います。Maculineaは、クシケアリの存在を確認することなく産卵する「運まかせ型産卵」なので、とにかくたくさん産まなければなりません。このためか誤産卵と思われる行動をとる頻度も高いような気がするのですが、アカソ類に誤産卵するオオゴマシジミが明確にとらえられたとても貴重な画像ですね。 Commented by Celastrina at 2006-08-12 07:53 x 虫林さん 竜飛岬のゴマシジミ、とても魅力的ですよ。ここのゴマシジミは斑紋だけでなく生態面でも青森県における他の生息地と異なるため、こうしたことを含めた内容のものを「竜飛におけるゴマシジミの発生消長」というタイトルで日本蝶類学会の「Butterflies」No.9(1994)に書いたことがあるのですが、今後は全国的な規模での生態面における比較が必要になると思います。なかでもフォッサマグナ周辺の特殊性は注目するべきでしょう。 いつも、素晴らしい画像で楽しんでおります。 ゴマの飛翔ほか、息子さんも素晴らしいです。 Commented by Celastrina at 2006-08-12 22:19 x mtana2さん 息子は飛翔写真を楽しんでいるようですが、足下も見ないでカメラを構えながら飛翔中の蝶たちを追い続ける様子はかなり危険。一緒にいる者は、いつもハラハラさせられます。 竜飛岬で飛翔を撮ったときなどは、高さ100mもある断崖絶壁の上を走ろうとするものだから、おもわず「無理するな!」と怒鳴りつけてしまいました。 それにしても今回の群馬のメスアカ♀、よいですね。私たち親子はメスアカが苦手で、未だに♀の画像が撮れていません。 Celastrinaさん<岩木山のゴマ、竜飛岬のゴマ、なんとも奥の深い内容でしょうか。とても良い勉強になりました。有り難うございました。 ze_phさん<素晴らしい追飛の画像ですね。受験勉強、たまには運動も兼ねてフィールドで生き抜も大切かと思います。ですが、くれぐれも足元には気を付けて下さいね。 Commented by Celastrina at 2006-08-15 20:33 x kenkenさん 8/12に蝶山人さんへの返信として書きましたが、kenkenさんのHPに掲載されたアカソ類に誤産卵するオオゴマシジミの画像、すばらしいですね。こうした貴重な画像を生かしながら、新しい時代の生態図鑑はできないものかと思います。 最初の生態図鑑チョウ編が上梓されたのが1972年。その11-12年後には科ごとに4分冊となった日本蝶類生態図鑑が完成しているのに、それから20年以上あたらしい生態図鑑は出ていません。 実は1997年頃に一度、10人ほどの共著で一冊2万円くらいの生態図鑑を作るので加われと言われ、打ち合わせのために上京したことがあります。私たちとしては、国内情報に秀でているということで蝶研出版の小路社長を中心にしようと考えたのですが、翌1998年にその小路さんが病気で他界。出版社も内定して企画書もできていたのに、不運な企画は途絶えてしまいました。 デジタル画像を駆使した2000年代ならではの生態図鑑、みなさんはどう思いますか。 Celastrinaさん、蝶山人さん オオゴマ産卵シーンへのご指摘有り難うございます。知人のnaokiさんから同じご指摘をいただいて、何枚も写真を確認し、アカソへの誤産卵であることを確認し、追加コメントを入れております。こちらのコメントへの御礼が遅れましてすみません。改めて、御礼申し上げます。 最初、この植物は似ているが、カメバヒキオコシではないなぁと思って見ていたら、いきなりオオゴマがやってきて産卵行動を取ったので、あれっ、カメバヒキオコシだったのかと思い込んでしまいました。私の目は節穴でした。(笑)もっと事実をきちんと見なければと痛感しました。 そう、あれからもう20年以上、生態図鑑は出ていませんね。Seeing is believing で、デジタル画像を満載した生態図鑑の作成を私も切に望みます。私のPCの中にもいくつかの新知見の画像があり、こういったものは、後世に伝えたいですね。 話しは変わりますが、学研に勤務する私の後輩のS中君が企画編集した「日本産蝶類標準図鑑」が発行されましたね。さっそく購入して、この夏休み、じっくり読んでいます。 Commented by Celastrina at 2006-08-17 23:28 x 蝶類標準図鑑、まだ入手していません。はやく手配しなくては・・・・・
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