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今日、ここ弘前にも初雪が降りました。
雨交じりに少しぱらつく程度でしたが、確実に冬が近づいているようです。 11月3日、父が1人で深浦に行ってきました。(僕は模試を受けさせられていたので行けませんでしたが) ベニシジミを1頭見かけた程度で、ヤマトシジミも見れないような状況だったそうですが、それでもツマグロヒョウモンは2~3頭生き残っていたそうです。 見かけたのは全て♂で、うち1頭は比較的新鮮な個体だったとのこと。 ・・・なんていうか、しぶとい蝶ですね。 父追記 さすがに11月の青森でツマグロヒョウモンが観察できるとは思いませんでした。 確認個体は、著しく汚損した1♂(紅葉したスイバの写真)と、それよりは汚損の弱い1♂(稲刈りの終った田んぼの写真)、比較的新鮮な1♂の、合計3♂です。鮮度だけでなく破損部位も異なっていたので、個体識別は容易でした。 ここで気になったのは、後翅表面基部寄りの鱗粉が3♂とも顕著に脱落していた点です。後翅表面基部といえば、通常の飛翔活動では最も鱗粉が脱落しにくい部位でしょう。低温下で頻繁に翅をこすり合わせたために脱落したのか、それとも他に原因があるのかとても興味があります。 こうした現象は暖かい地方のツマグロヒョウモンでも見られるのでしょうか。それとも、この時期の青森ならではなのでしょうか。 ▼追加画像 ▲ツマグロヒョウモン(2005/11/03 深浦町 父撮影) ▲ツマグロヒョウモン(2005/11/03 深浦町 父撮影)
by ze_ph | 2005-11-09 23:55 | Comments(5)
Commented by ichityouya at 2005-11-11 00:23 x はー。。。こんな傷のつき方初めて見ました。 何か言いたいのですが、暖地でのツマグロヒョウモンについて私は良く知らないので、この個体を見て率直に思ったことを書かせていただきます。 これは二つの可能性が考えられるのではないかと思われます。 ひとつは、後翅鱗粉の脱落している所が羽を閉じると腹部にあたるように見えるため、腹部と接触してこの傷ができた。 もうひとつは、(言っておられましたが)やはり前翅とこすり合わせてできた。 これは(最も脱落が多い胴体に近い部分と接触する前翅外縁に若干の破損が見られる、脱落部と腹部との接触面がずれている等の理由により)後者の可能性が高いと思われる。 Commented by ichityouya at 2005-11-11 00:25 x ー続きー 問題はなぜこのようなことが起こったか。 気温が低くなってきたので体温の上昇を図った、とも考えられるが、それならばほかの地方で見られてもおかしくは無い。そもそも筋肉を使えば体温が上がるか、というのも疑問だ(人は温まるが)。それなら温度が低くても自力で体温を上げて飛ぶはずだ、とも考えられる。 以上、一蝶屋のたわごとでした(笑) P,S長い散文失礼しましたm(。 。)m 一応ネットで調べてみましたが、そのような個体は見つかりませんでした(私が知らないだけかもしれないですが)。ツマグロを良く知っている南の方の意見を聞きたいですね。 Commented by Celastrina at 2005-11-11 23:17 x >ichityouyaさん こんばんは 誠也の父です。 ご指摘のとおり、腹部あるいは前翅との接触ということ以外は考えにくいですね。私も当初は前翅との摩擦である可能性が高いと考えたのですが、写真を拡大分析したところ、前翅の後縁部にも若干ながら鱗粉脱落が認められました。ということは、腹部との摩擦という可能性も否定できないということです。 いずれだとしても、確認できた3♂のすべてに同じ磨耗が生じていたことに注目したいのです。なんらかの生態的な意味があるのかどうか・・・・暖かい地方でも生じうるのか否かが分かれば、糸口がつかめるような気がします。 福岡県在住です。この記事以来、気をつけて見てますが、このような個体は見ないですね。過去にも見たことないように思います。面白いですね。 Commented by Celastrina at 2005-11-23 23:09 x nomusan さん
今回の鱗粉脱落については、蝶類研究者による専門MLであるレピフィラlepiphilaでも討論されましたが、腹部を上下したことに伴う脱落の可能性が濃厚なようです。また、暖候期の汚損個体では生じないことも確認されました。ということは気温が低いこととの関連性が高いと考えられるのですが、そこから先はまだよく分かりません。
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