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▲クズの葉蔭で早朝みつけたムモンアカシジミ♂。2日目。 7月の青森は異常低温警報が発令されるほど夏らしくなかったのですが、梅雨明け宣言がだされた8月2日以降は一変して猛暑の日々。盛夏の蝶ムモンアカシジミも出始めました。1972年に発行された原色日本昆虫生態図鑑チョウ編も1984年の日本蝶類生態図鑑シジミ編も、ともにムモンアカシジミが夕方に活動すると書かれていますが、これは誤り。実際は正午を中心に飛翔し、配偶行動もこの時間帯に行なわれます。ただし、樹冠部の高所を活発に飛翔するため、活動時間中の撮影は容易でありません。 そこで、朝なら林下部からみつかるかもしれないと考えて、以前ムモンアカを見かけたことのある青森市郊外の雑木林を訪れたところ、燃えるような朱色が高さ2.5mほどの葉上に見えました。あわててカメラを向けたのですが、朝日が当たって逆光なうえに胴部が葉にかくれて翅しか写りません。それでも、去年は撮影不可能なほど高いところにいる個体にしか出会えな,くて苦渋をかんだので、とにかく撮影。でも、この1カットを撮ってから更に近づこうとしたところ樹上高く飛び去ってしまいました。 次の日、さらに早起きして同地を訪れたところ、前日より低所に静止している個体がみつかりました。ミズナラにからみついたクズの葉陰に静止していたもので、面白いことに前脚をおろしています。(写真上) ▲1日目、朝日のなかでみつけたムモンアカシジミ(息子撮影) ▲葉の基部に口吻をのばしいるオオミスジ♀。本来なら著しく汚損している時期なのに、7月が涼しすぎたおかげなのか、意外にきれいだった。(息子撮影) ▲樹液に集まるコムラサキ。(息子撮影) ▲山道におりていたサトキマダラヒカゲ♀。青森県ではヤマキマダラの方が多いので、サトだというだけで嬉しくなる。(息子撮影) ▲ヤマキマダラヒカゲ(息子撮影) ▲ルリタテハとスジクワガタ(息子撮影) by ze_ph | 2006-08-09 20:51 | Comments(6)
こちら(佐賀県)では逆にサト>ヤマです。900~1000mくらいの山の山頂付近まで行ってやっと逢えるという感じです。今の青森で見られる各種のチョウ、どれも素晴らしいカットですね。 先日はタテハ新成虫を求めて歩き回っていましたが,キベリ,エルはおろか,ヒオドシ,ルリにすら出会えない始末。仕方がないので,スジボソヤマキをわざと逆光で撮影してみたり,各種ヒョウモンを相手にしていました。 ムモンアカは,一昨年の7月後半に羽化したての個体を偶然見つけて,驚きながら喜びながら撮影していたのを覚えています。その時は肩の高さに止まってくれました。時間はちょうど正午頃でした。 Commented by Celastrina at 2006-08-09 23:50 x まささん 青森だと平地でもヤマキマの方が多いのですが、これは北国ならではのことなのでしょう。今回の撮影地は標高200mていどですが大半はヤマキマで、その中に1割ほどサトキマが混じります。 Commented by Celastrina at 2006-08-10 01:28 x ゆうざんさん ムモンアカの幼虫は終齢後期になると地上へ降り、Dendrolasius亜属のアリ(これまで私が青森県内で確認した種は全てクロクサアリ)の蟻道付近から蛹がみつかります。 正午ころに羽化したての個体が肩の高さにいたということは、林床で朝に羽化したものが活動時間をむかえて姿を現したのではないでしょうか。このとき前脚をどのようにしていたか、ぜひとも画像を精査して教えて下さい。 ちなみに私たちが2日目の早朝に低所でみつけた個体は鱗粉の状態から前日に羽化したものとみられ、クズの葉と葉の間にひそむように静止していました。このため自然光では葉陰の緑色をかぶってしまい、内蔵ストロボを弱発光させての撮影になりました。 画像を見返してみたところ,飛び出して止まった直後は前脚を下ろしている状態でした。その後,葉の上を少々歩いて,重心がやや後ろにかかったような体勢(頭部がやや上向き)になってから,前脚を上げていました。 Commented by Celastrina at 2006-08-11 21:44 x ゆうざんさん
やはりムモンアカは活動時間にあたる正午ころだと前脚を上げるということですね。 どのようなときに前脚を上げるのか、これからも気をつけて観察したいと思います。
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