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▲ スラウェシ島の固有種ブルメイアゲハ。前後翅を縦走する緑色帯と、青く輝く尾状突起が美しい。青いブーツを履いた貴夫人といったところだろう。 (2006年12月26日・スラウェシ中北部Boboにて) インドネシア紀行の2回目は、スラウェシ島の固有種ブルメイアゲハ(Papilio blumei)です。オオオビクジャクアゲハなる和名もあるようですが、この蝶にはブルメイの呼称の方が似合うと思います。 前回のアオネアゲハが低地性なのに対してブルメイは山地性。両種は日本のカラスアゲハとミヤマカラスアゲハのような関係なのかも知れません。 アオネアゲハは各地でたくさん見ましたが、ブルメイには苦戦。多産地だったというパロロはカカオで栄える村になった頃から激減したとのことでみつからず、さらに車で40分ほど移動したBoboというところで渓畔を舞う1♂にようやく出会いました。その1♂を渓谷上の小道からズームアップして撮影したのが今回の画像です。ひと目でも見たいと思っていた憧れの蝶なので撮れてくれただけで大満足・・・と言いたいところなのですが、もっと近づいて撮りたかったというのが本音です。 ▲ 飛び立つブルメイアゲハ(同上) ▲ 中北部の高地に位置するパロロ村。子供たちの背後に見える道が未舗装だった頃はブルメイが多産することで有名だったが、カカオ栽培の適地ということで人と畑が増大し、道が舗装された頃から急激にブルメイは減少したという。 ▲ カカオの花と結実初期の実。幹から直に生える。 ▲ パロロ村周辺の森林。手前の低木層はカカオ畑。 by ze_ph | 2007-01-05 01:30 | Comments(8)
Commented by Noreen05 at 2007-01-05 06:18 明けましておめでとうございます! そしてお帰りなさいませ・・・ 緯度ゼロ地帯って?インドネシアへ行かれていたのですね。 アオネアゲハ・ブルメイアゲハともに美しい蝶ですね・・・続編に目が離せません! (過去に2度ほどインドネシアへ行っていますが、当時は蝶に興味がなく今思えばとても残念なことをしました!) 今年もどうぞよろしくお願いいたします。 Commented by maeda at 2007-01-05 18:07 x 今度はブルメイですか、これまた懐かしいです。 今は激減してしまったとは悲しいです。 日本に限らず舗装道路は虫には厳しいですね。 Commented by 蝶山人 at 2007-01-05 22:08 x Ze_phさんの画像は活動休止中の蝶屋に嬉しい新年のプレゼントです。今後も期待しています。憧れをそそる画像有難う御座います。 Commented by fanseab at 2007-01-05 22:26 深い原生林を期待して辿りつくとコーヒーやカカオ畑で開墾された現場を見てガッカリ・・・このパターンは東南アジアの各所で経験しますね。でも1頭でも出会えると思い出に残ります。それが美麗なアキリデスなら尚更でしょう。三枚目の子供達の目はブルメイ以上に輝いて印象的です。 Commented by Celastrina at 2007-01-06 09:51 x 今回の旅行では、人や自然にも目を向けてみました。 カカオで栄えはじめたとは言っても、パロロはやっぱり山奥の村。だからでしょうか、子供たちの瞳は澄んでいて、私たちが忘れていたものを思い出させてくれたような気がします。 うお~!!! これまた素晴らしい!!! いや、たまりまへん。脳みそがとろけそうです。いや~綺麗ですね。ほんまにエエもん見せていただきました~。 Commented by まさ at 2007-01-10 22:48 x 図鑑で展翅された姿しか見たことない、ブルメイアゲハ、前後翅が少し重なってまっすぐ縦走する青帯はまさに生態ならではの美しさですね。この日本の遥か南にこんな蝶が確かにいるという事実に感動すら覚えます。 現地の自然林、ずっと大切に守られることをお祈りします。 Commented by Celastrina at 2007-01-14 11:47 x まささん
センター試験直前だというのに、1月9日に息子が体調を崩して緊急入院することになり、しばらくドタバタして返信が遅くなりました。申し訳ございません。 ブルメイ、標本もきれいですが、自然界を舞う姿は格別でした。おっしゃるように、青帯の連なりは生態写真ならではですね。
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