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カシワの横枝に産みつけられた2個のムモンアカシジミ卵と、すぐそばを通過した共生アリ。林の切れ目から、林外の青空が見えている(10月9日, 息子撮影) 先週の土日は大雨洪水警報が出されるほどの荒れ模様でしたが、祭日となった月曜は天気があがったので深浦へ。これからの週末は模擬テストの連続になるので、今回は同行させてほしいという息子のze_phも一緒です。でも、高校3年の10月といえば、受験勉強で身動きがとれないのは当然なのですが・・・・・・・ 息子は、数台のカメラを分解して自作したレンズを使ってムモンアカシジミの卵を撮りたいとのこと。実は何日間も深夜までレンズ作りをしていたらしいのです。やれやれ・・・・ 8月にムモンアカの産卵を撮影した深浦のカシワを調べると、共生アリがゆきかう横枝に特徴のある卵がみつかりました。卵色は暗い紫褐色ですが、ポンポンダリアを模した彫刻細工のようで見事です。 日本のゼフィルス25種はいずれも卵で冬を越しますが、本当の「卵態越冬」はこのムモンアカ卵だけ。ムモンアカ以外の24種は全て秋のうちに卵内で幼虫体が完成し、外観は卵越冬に見えても実際は「卵内幼虫越冬」なのです。 Dendrolasius亜属のアリと共生する生態が異色なことは有名ですが、春季になってから卵内に幼虫体が形成されるという点からもムモンアカシジミが特異なゼフィルスであることが分かります。 ▲ ムモンアカシジミ卵の探索中にみつけたシギゾウムシ(10月9日, 息子撮影) ▲ ムモンアカシジミが共生していたDendrolasius亜属のアリ(同上) 黒くつやつやしていて、サンショに似た独特な匂いがする。現在同定依頼中。 ▲ 深浦の休耕田でみつけたホウジャク(同上) by ze_ph | 2006-10-12 22:45 | Comments(7)
Commented by usubasiro2 at 2006-10-12 23:49 迫力のある写真ですね。 アリとゾウムシの写真は虫の目でしょうか?自分の虫の目では小さなアリなどは此処まで大写しになりません。出来たらシステム説明お願いします。 Commented by えいきち at 2006-10-13 10:05 x このレンズ自作してしまったのですか。 すごいですねえ。 としか言えない。 解像度もばっちりですね。 とても受験生とは思えない。(時間的余裕) Commented by krshana at 2006-10-13 17:37 お父様のお気持ち、よく分かります。「やれやれ・・・」 でも、一人より二人のほうが楽しいのですよね。 こんにちは、 すごい写真ですね。とくにアリが------。感激しましたよ。またムモンアカの卵態越冬のおはなし、ありがとうございました。これもまた、感激してしまいました。 ところで、小生もかなりお遅らばせながら、やっとGRデジタルを購入しました。今まで使用していた愛機GX8に比べて、ノイズが少なく自然な感じの写真になりますね。良いカメラでした。 皆さんコメントされていますが、虫の目レンズとしたら凄い解像度ですね。特に1枚目は歪曲収差も感じられず秀逸です。これトリミングなしでしょうか? Commented by cactuss at 2006-10-13 21:28 自作レンズでの写真ですか。臨場感があってすばらしい。レンズの作り方を教えてほしいですね。受験生にこんなことをお願いしてはいけませんので、みごと合格されたからで結構です。 Commented by Celastrina at 2006-10-14 00:57 x みなさま
息子の画像に多数の書き込みをいただいて、まことにありがとうございます。 今回の画像は、林外の青空も出しつつムモンアカ卵のそばを通るアリを写し込もうとして、2時間近くもねばりつづけての撮影でした。父親はのんきなもので、のんびり寝そべりながらその光景をながめていただけです。 レンズの方も、解像度のことを気にしながら何度も何度も試し撮りをしながら改造を繰り返したものとのこと。この情熱が受験勉強に向いたらすごいのでしょうが、まぁ好きにさせます。好き勝手のさせすぎは親の責任と言われることもありますが・・・・・・・・
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