食餌植物:シラカンバなど(カバノキ科)
早春にのみ出現する美麗な昼行性シャクガで稀。ダケカンバなどの樹冠にとまっているものが度々見られる。
次種クロフカバシャクより一回り大きく、前翅の白帯が明瞭で、オスの触角は数珠状。
食餌植物:ヤマナラシなどのPopulus属(ヤナギ科)
日本では青森・岩手の2県からしか記録されていない早春性・昼行性のシャクガで、2015年まで30年間記録が途絶えていた極めて稀な種。
前種カバシャクとは前翅の模様やオスの触角形態(本種は鋸歯状)で区別できる。
ナミフユナミシャク類の最普通種。日没直後に活動する。分類に関して複雑な経緯をもつ。
かつて本種は、旧北区に広く産する O. brumata に含められており、和名を(現在と同じ)ナミスジフユナミシャクとされていた。1991年、海外産とは外観や交尾器に差異が認められることから、「日本産ナミスジフユナミシャク」は O. brumata から分離。触角や雌の翅の形態差から更に細分され、コナミフユナミシャク O. brunnea とオオナミフユナミシャク O. variabilis の2新種として記載された(中島, 1991a, b)。しかし、2010年、コナミフユナミシャクとオオナミフユナミシャクの2種が同一種の種内個体変異であるとして再統合され、和名もかつて使用されていた「ナミスジフユナミシャク」に戻された(中島, 2010)。なお、海外産種 O. brumata に統合されたわけではなく、かつてのコナミフユナミシャクの学名 O. brunnea が用いられていることに注意。
1. 中島秀雄, 1991a. 日本産 Operophtera 属(鱗翅目, シャクガ科)の 2 新種の記載. 蝶と蛾, 42(3): 195-205.
2. 中島秀雄, 1991b. オオナミフユナミシャクの学名. 蝶と蛾, 42(4), 248.
3. 中島秀雄, 2010. 日本産フユシャクガの種の再検討. 蛾類通信 (257): 154-158.