↑著しい斑紋異常個体♀(写真1)
↓同一個体翅表(写真2)
低温処理実験※注1でも似通った異常個体が得られることがある。
しかし、この個体(写真1,2)は8月22日に酷暑の中で確認されたもので、
翅表も真っ黒。典型的な高温期型である。
このような個体に低温刺激があったとは考えにくく、
この現象が低温刺激のみによって引き起こされているものではないことがうかがわれる。
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↑斑紋消失個体(写真3)
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確認されている斑紋異常のタイプは、外側に斑紋が流れるタイプ(写真1,2)、
内側に流れるタイプ、そして消失するタイプ(写真3)の3つに大別できる。
またこのような斑紋異常個体には、脚や触角、翅形などの形状に奇型を伴うことが比較的多いように思われる。
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写真4の個体は確認される異常型として、いわゆる「そこそこ」な個体である。
写真1,2の個体ほど異常が著しいものは少ないが、写真4程度の個体であれば全体の5%以上。
一般に異常型は数千分の1程度の出現頻度だと言われている事を考えると、ここでの出現率は、異常型と呼ぶにはあまりに高い。
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↓そこそこの斑紋異常♂(写真4)
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↑斑紋異常♀に正常な♂が求愛(写真5)
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↓異常型のいる風景(写真6)
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↑斑紋異常♀産卵(写真7)
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ここ数年の記録的な大雪や異常気象で青森の個体群は衰退してしまうのでは、と心配させられたが、その心配をよそにヤマトシジミは年々増加を続けている。
また、異常個体の出現頻度も、その異常の度合いも、年々激化している傾向にあり、今後の動向が注目される。
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※注1・・・蛹を低温処理(2〜6℃で10日以上)すると同じような斑紋異常が稀に得られる。
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