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白いウスバシロチョウ
青森県の一部の地域では、著しく斑紋の白化したウスバシロチョウが出現します。
他の一般的な産地では、写真5程度でだいたい安定しています。 北海道では後翅内縁や前翅中室の黒色鱗粉が減退する産地も知られていますが、翅脈にまで白い鱗粉がのった『ベタ白』は青森でしか発見されていません。
↑斑紋白化個体♀(写真1)
↓斑紋白化個体♂(写真2)
写真1の個体はベタ白に近く、『サハリンの蝶』の著者である朝日純一さんが言うところの「レベル4〜5」の個体です。 この表現はいわゆる“クロオオイチモンジ”にならったもので、白化が激しいものほどレベルは高くなり、最高が5。 おもしろくて分かりやすい表現なので、我が家でも使わせてもらっています。
↑同地の普通個体♂(写真3)
この産地の凄いところは、前述したように、 前翅中室の黒紋が消失しやすいこと、後翅内縁も白くなること、 そしてなんといっても、翅脈にまで白い鱗粉がのることにあります。
この3つが完全にそろった個体には、他の産地のものとは比べ物にならないような「ベタ白感」があります。 現段階で、
世界一白いParnassius
と言っても過言ではないと思います。
↑ほんのりと翅脈に白色鱗粉ののった♂(写真4)
↑普通個体♀(写真5)
実は、ほんとうに凄い個体の生態写真は、まだ撮れていません。 写真1の個体でも、黒色鱗粉が所々に残っています。これからの課題です。
代わりに、標本写真になりますが紹介しておきます。 この個体は、まだ僕(誠也)がカメラの使い方など覚える前の採集品で、 今にしてみると、逃げられても良いから生態写真を撮っておけばよかったのに、と悔しく思います。
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参考写真
↑前翅中室は白いが翅脈や後翅内縁の黒い♂(写真6)
↑普通個体♂の羽化(写真7)
↑普通個体♂と白い個体♂(写真8)
ぱっと見て、「白い!」と思えるのはレベル4以上の個体で、その出現頻度はおそらく1〜2%。 また、よりインパクトを求めるのであれば、腹部の白い粉が目立つ雌のほうが有利だし、新鮮だに越したことはありません。
なかなかシビアなものです。
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